ダンサー・イン・ザ・ジェンダー

住人

darker than darkness だと僕の目を評して君は髪を切りにゆく

―黒瀬珂瀾「夏の闇」

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2004年 夏
小学生から脱皮したら、蝉のように羽ばたけるのだと思っていた。
それはあっさり言って間違いで、僕はただ残されたほうの抜け殻、
中学生という名の囚人になっただけだった。
僕は当時のアルバムを持っていない。
だから過去を見るためには自らの海馬をこじ開けて覗くほかない。
埃っぽい、黴臭い、暗闇の、澱の中に
目を凝らしていくと徐々におぼろに見えてくる
だんだん強くなる目を焼くほどのそれは

太陽の熱を巨大虫眼鏡へ 全校生徒集合焼却

優等生/不良 先輩/後輩 いじめの加害者/被害者 教師/生徒
女子/男子

こんな世界は夏に燃やされてしまえばいい
燃えて、なくなってくれればいい

僕は地獄からの非常口を見失った。
海馬の底を探ると触れる手触りは、逃げ切れず引火した自分の、燃え滓のそれ。

… … …

今の僕(2019年現在)から見て、当時の謎の一つは
「なぜ学校に行き続けたのか」
スイカの種を吐き出しながら考える。
まず思い付くのは「勇気がなかったから」そうだ。行かない勇気。
義務教育を終えないと、うんたら…かんたら…
高校くらいは出ないと、…なんちゃら…かんちゃら… …zzz…
進路はどうする。登校が苦痛。けど登校日数が足りなくても中卒認定試験というものがあるからそれを受ければ、いや。いやそうじゃない。
対策がないんだ。
この絶望にたいする対策―- が、絶望的、にない。

校舎はとろけるモルタルにまざりゆく自分の影はあとひくコールタール
まぎれゆく 流れは絶えずしてもとの流れにあらず
うもれ のみこまれ あとかたもなく はじめから いなかった かのように

… … …

小学校のころ好きだったぶりっ子とは同じクラスになった。
彼女とはまた同じ部活に入る。僕は剣道部に入りたくて、意外なことに彼女も剣道部に入った。たまたまだった。引き続き彼女を好きではあったけど、それは友達としての感情に落ち着いていった。
クラスの中で他に心を開く相手はいなかった。

若い女性の先生や、女子の先輩に頭くるくるパーになっている僕に、ある時ぶりっ子は苦笑いして告げた。

「そろそろ普通に男の子好きになりなよ」

そろそろ? 普通に…? …??
これ、タイムリミットがあるの?(仮説1)
え、これ普通じゃないの?(仮説2)
 え??
その既定はどこに存在するのか 僕が合わせるものなのか
「普通に男の子を好きになる」
それって、できることなのか―-

ってことは、僕が君を好きだったのも”普通”じゃなかったのか
何かの間違いだったのか
それはおかしくて、治すものなんだろうか
君を好きだという感情は、否定されるものだったのか

それは… なぜ?なんのために?

「思春期になると異性に関心を持ちはじめます」
「付き合って、セックスして、結婚して、子供を産んで、家族になります」
付き合って、セックスして、結婚して、子供を産んで、家族に―――

「そろそろね。今まではよかったけど、これからはね。
大人になるまでには、変わらないとね」

「だから男の子を好きになりなよ」

なれないよ

僕が好きになる人をどうして誰かが選べるのか
付き合ってセックスして家族になれって
おいおい、いつの時代のどこの風習だよ 何を言ってんだよ
それがお前の答えかよ

通学路 懸濁液で汚れてる わたしの顔面 溶けてくせいで

… … …

結局僕はネットを使って情報を探し、TVドラマのシリーズ『金八先生』を借りて知った。上戸彩が演じていた、心は男の子、体は女の子の「性同一性障害」を持つ生徒の役。
すぐに自分のことだとわかった。
(ああ、医学的な診断名が付いてるんだ…)
その感覚はなんと言ったらいいか、胸の奥で初めて安堵のため息をついたような、と同時に、掴まれて捩じられたような。
”おなべ”や”オトコ女”ではなく、「性同一性障害」
僕が物心つく頃からおかしいと感じ続けていた感覚は間違っていなかった。
認められた。僕はおかしくなかった。
(だけど…)僕のほうがおかしい存在なのだと感じさせられてこれまで生きてきたのは、じゃあ、なんだったのか。
診断名は僕の感覚にたいする、適切な説明、必要としていた名前。
(だけど)なぜ、名前が必要なのか―
それは”障害”だから。

さらに僕はネットを通して知った。
電子の窓越しに僕のような人々、心と体の性に違和を持つ人たちが、いる。
僕と同世代から、大人まで。息をしている人たちが、存在する。
パソコンのキーボード越しにその息に触れた、指が触れた気がした。

… … …

入学後、部活を選ぶ際に一応確認したが、サッカー部は相変わらず男子のみだった。マネージャーに女子がいるとか聞いた気もする。そんなの願い下げだし。
僕は竹刀を振るのだ、そして進路は武士だ。百戦錬磨ののち、老後は愛刀と山に籠もって霞を食う仙人となるのだ。
ようするに俗世からの解脱願望があった。
ずれた野心を奮わせていたものの、入部してみると先輩や顧問の威風にビビり、キツい練習に呻いていた。身体は小さいし、運動は苦手だった。雑巾がけは屈辱的な拷問だった。それでも部活を続けたのは、逃避だったと思う。
体を使い切れば、遠いところへ行けると思ってた。
人間であることをやめたかった。
2年生になると後輩が入ってきた。
そのうちの一人、華奢でか弱そうな子がいた。
震えた声、消え入りそうな表情。なんとなくたよりない、身体の動き。
その姿は、入部当初の弱っちかった自分を思い出させた。心配したい、かばいたい後輩、という印象。
決定的瞬間は、彼女と練習が当たった時。
彼女がよろけちゃって、僕が「大丈夫?」と手を差し出したんだか、なんだか。
彼女は「ごめんなさい」とかなんとか、言いながら。
その瞬間、唐突にずきゅーーーんと電気的な何かが体を貫き。
明くる日も 来る日もくる日も くるくる…く、く…苦しい

僕はよろけちゃんに恋した。

普通とか普通じゃないとか考える余地はなかった。
女の子だから好きになっちゃだめだ男子を好きにならなくちゃとか
そもそも選べるものとは思ってない。ただ心臓が鳴ってるだけ。

そんで修学旅行に金平糖をお土産にその子に渡して告白した。
考えさせてくださいと言われ、数日後電話でOKをもらった。
え?ん…? 両想いっぽい? わ、まじか。なんて都合がいいんだ。
じゃ、ハッピーエンドだね!めでたしめでたし

え? え… えーっと

続くのこれ?
終わらないのここで?
待って、いやどうしたらいいかわかんないよ、この先
僕は数少ない友人に訊いた。
「こういうときどしたらいいの」
「とりあえず、よっしゃ!ってガッツポーズして喜ぶ、とか?」
なんだそれ「なるほどね」
当時の僕は友人の回答に深く納得していた。
これが恋に対する正しいリアクションか。こんなことならもっと少女漫画を読んでおくんだった。恋愛ドラマを見ておくんだった。
デート?なにそれ? 僕は調べた。調べてみて、到底無理だと思った。
だってどこに行けばいいのか…それに緊張して話すことも特に無さそうじゃないか。

じゃ、花火くらいなら…なんとかなる、…か…?

そう考えホームセンターで花火を買う。
当日は雲行きが怪しかった。 川から吹く夜風で火種用のロウソクがなかなか着火できない。やっと点火しても花火の先端はすぐに吹き消され、不発、不発。
まるで僕の将来にたいする呪いのように。
あたりは暗くて、ほとんど何も見えない。花火の色もあまり、覚えてない。
ただ心臓が息を詰まらせるほど脈打っていたことだけ。
それにしても間がもたない…。何を話したらいいんだ…ああ…。
どうすればいいんだ……クソ、まじでわからねぇ。

「天使みたいだよ」(震え声)

  … … …

「「「天使みたいだよ」」」(エコー)

そのとき脳天から海馬を突き刺す卒塔婆が降ってくる

ベタすぎる絶望は二度殺すべし  花火で火葬/川で水葬

ああ恥ずかしっ

花火の帰り道、僕は片手にバケツを持ちながら彼女を家まで送った。
その道中、彼女に手を握られた。家まで手をつなぎながら帰った。
んああ、海馬に手を突っ込んで手刀で両断したい、ができない。
 脳内が麻薬の花畑
     脳内内が麻麻薬のの花の花花花畑畑がががが (ハウリング)
よだれ出てないかな 目がイッちゃってないかな
     大丈夫かな、僕 (だいじょばない)

テレビドラマがひび割れて 極彩の液晶漏れるケミカル花火

そして夏休みに入った。彼女はオーストラリアに家族旅行に行くと言ってた。
家族旅行、海外か。すげーな。
オーストラリアってなに、コアラとかカンガルーとかそういう。
なにしてんのかな。
毎晩、空を見上げてた。
飛行機を見つけては、「乗ってるかな」「もう帰ってるのかな」
夏の大三角形はさらに遠く、憐れみも可笑しみさえもなく、僕とは無関係に通過していく。

昼間は友達がいないので公園で一人サッカー。
ボールを蹴って、自分で取りに行く。寂しすぎ!
じりじりと待つ。
青空が、強い日射しが、向日葵が、蝉の鳴き声が、ゆらゆらゆら。
アスファルトが、ねるねるねるね。
雷の日には自転車で彼女の家の近くまで行った。
なぜだっけ。彼女が帰ってきてるか確認したかった、とか…?
ストーカーじゃん
雨に濡れたまま帰ってきて、部屋に寝転んだ。
頭は故障したテレビのように、スノーノイズばかり。夏なのに。
あの日胸を貫いた電気は空中を漂い上昇気流に乗って大気圏の雲へと達し
やがて雷となり心臓の奥底を轟かし
アンテナめがけ、落ちて尽きた

夏休みは終わった。彼女から連絡はなかった。
いつの間にか距離を置かれていて、彼女の友人から「他に好きな人ができたみたいです!」と明るく聞かされて、終わった。
僕の目の前は、時間が空間が
のろのろのろのろのろのろ
まるで寒天かなにかの中を、歩いてるかのように
進まない 進まない
濡れた楽譜、音符が溶けだして、奇怪な音楽が、僕を呪う

友人「女心と秋の空、だね」
いやまだ秋じゃねぇし、残暑だし。そんでもって俺の心は真冬の地下牢だし。

何が悪かったのかわからなかった。でも忘れなければならなかった。
恨まないように、自分が壊れないように。
受験のため部活も終わっていたので、学校に通う意味はなかった。
剣道部の友人に頼んで何度も頭を叩いてもらった。
脳細胞を死滅させて、記憶を失くしたかった。もしくは感情を麻痺させたかった。
ばかげた行為だとわかっていながら、やめられなかった。

ゴースト障害(ゴーストしょうがい)は、反射によって電波が時間軸方向にずれて受信されることで、テレビやラジオなどで映像や音声がずれて見える(聞こえる)現象のことである。

―Wikipedia

ネットで知り合ったFTMの子に空の写真を撮っては送っていた。
その子は歌が好きでギターが弾けて、たまにテープに録音した自作曲を郵送してくれたりした。手書きの歌詞を見ながら、ラジカセで再生して聴いてた。
彼はほとんど不登校だった。群馬に住んでいて、何回か会って。色々話した。
僕より年下、だけど生にたいしてはるかに真摯で、見ていて目が痛くなるほど眩しかった。
彼はリストカットをしていた。
ある日は、制服のスカートを裁ち鋏で切り刻んだと聞いた。
僕は何も言えなかった。

磁気嵐 攪乱眩暈 金縛り

好きだった子―もう好きでいてはいけない子と、
運悪く同じ掃除場所になってしまった。
階段にばらまかれたソーダ石灰ガラス屑が昇り降りするほど裸足に刺さる
おどりばで悶える有り様は傍目から見てはただの気持ち悪いダンス

なぜここにいないといけないんだ  帰っていい 帰っていい
家じゃなくても どこかにどこにでも、逃れてしまえ
とにかくここにいるのは耐えられない…

自分を抑え付けていたのは、そうし続けていれば石になれると思っていたのか。
痛くない―感じない―麻痺していく
どうやって生きてたのか、驚くほどあまり覚えてないような気もする。
楽しかったことは?何か楽しかったことはないのか。
海馬を検索してもヒットしない。
心を無にするときだけがましだった。竹刀を振る時。空を見るとき。
空へ逃げたかった。「地上はうるさすぎる」
好奇の目、耳、口、 ~うじゃうじゃうじゃ…うじゃうじゃうじゃ…~
この場所を否定するために、何かしないと。
だけど他殺も自殺もできない
それなら。そうだ、麻痺しちゃおう。打っ棄ろう。
感情を捨てよう。何も感じなくなろう。生きてても死んでるみたいに。
苦しくない、楽しくもない、ゾンビの誕生

進まず退がらず 僕は僕でなくなる

… … …

海馬の残滓

ぶりっこの誕生日に月の土地をプレゼントした
(なぜかネットで見つけた。中学生のお小遣いで買えた)
夜中にたい焼きを届けたりした
(ホームセンターの前によくある屋台の)
意味不明だけど ただ笑ってほしかった

竹刀を油に浸して点火する 松明で照らせる闇ならば

(涙)をシリカゲル化して、漏斗に集めて、乾燥剤としてリサイクルする

教室の蛍光管の中身が溶け出して、けばだたしい白光がみんなを濡らし
喧噪も、不快な音楽も、消える

… … …

学校に行ってる自分が情けなかった。
それでも、「勇気」を使わなくちゃならない場面があった。
自分を守るために、自分を押さなくてはならない場面が。
僕は髪を切った。上下紺色の道着と袴を着た。
学校指定の鞄は縁の色が男女別で、僕はその赤い縁を黒マッキーで塗りつぶした。
それから、それから。
合唱には出なかった。ソプラノかアルトに属すれば、自分は女子に属しているという認識に耐えられないから。
制服のブレザーもそう。だからジャージを羽織った。

そしてある日。僕は。生理になってしまった。
可能性は絶たれた。
僕は、この体は、女、

落ち続ける奈落 何も見えない何も聞こえない 闇の中

中学は3年で終わる。そこを出たらどうする。
高校へ行く?
金八先生のドラマでは、上戸彩は定時制高校へ進学し男子高校生として通学する道を選んだ。
僕は、男子高校生として生活できるだろうか。
身体の変化にはどう、対応するのか。

春になり、否応なく氷は融解する。中学校から、吐き出される。
僕はまだ息をしてる。 生きてる実感はないが、まだ死ねてもいない。

… … …
海馬からの回帰。
あのときとはまったく違う”おどりば”から。
2019年現在、
殺すでも死ぬでもなく、未だに、踊っている。
だけど今は、
闇から視える闇から聴こえる
戒壇めぐり/階段めぐり―――で、
ダンシング・ゾンビと為り代わる

オート

Xジェンダーのゾンビでコーヒー淹れたがりのカラスラヴァー。

プロフィール

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  1. saramisarami

    井戸の底に突き落とされたような、棺桶の底にいきなり埋められたような。
    僕には…とても生きてる人間の言葉づかいとは思えなかった…。
    井戸の底に突き落とされて、そこにオートくんがいて。
    認識はできるけど意味がわからない詩を淡々と謳ってる。
    狂うのがわかっていても、聞きたい。聞いていたい。聞かなければいけない。
    もっともっと、と画面を先に送ってた…

    読んだ後、悲しくも嬉しくもないのに涙が出てきた。

    嫉妬すら起こらない…
    やばい…。
    すごいとかじゃない。
    これは、やばいものだ…
    気がついたら意識持ってかれる。
    持ってかれてることすら気づかない。そういうたぐいのもの。

    恐怖じゃ、ない…
    空虚、でもない。
    身体中の神経という神経を自分の手で鷲掴みにしてる感じ。
    バリバリ…ビリビリ…って。
    鷲掴みにしている手が感電しているのに、離せない。

    僕には芸術的センスやアーティスティックな感覚・センスは、ない。
    だけど、この文章を読んで、今のように感じられた。
    ”何か”こじ開けられたのかもしれないし、眠っていた何かを引っ張り上げられたのかもしれない。

    不快な感覚もある。
    多分、この文章は僕にとって「異物」に近いのだと思う。
    劇薬なのかもしれない。
    だけど、この文章を読めて、出会えて。これを書いたオート君に出会えて、良かった。

    わからないながら、僕が感じられてわかったのは以上です。

    ありがとう。

    • オートオート

      さらみさん

      そうですね、僕の心はどっか死んでると思います。
      腐って、枯れて。視えなくなったと思っていたら、どこからともなく具象化してくる。
      金属や、有機物に。液体や、電気に。

      >「身体中の神経という神経を自分の手で鷲掴みにしてる感じ。
      バリバリ…ビリビリ…って。
      鷲掴みにしている手が感電しているのに、離せない。」

      この表現で、さらみさんの生きている実感に触れられたような気がしました。
      さらみさんの生を、その強い感覚を僕も擬似体感できた気が。

      溶け出したゾンビの目が、感電により少し発光しました(笑)

      僕もさらみさんに記事を読んでもらえて、さらみさんのこんなコメントが読めて、うれしかった。

      ありがとう。

  2. しぶや

    こんばんは
    続編も楽しく?読ませてもらいました。

    前回も感じたことだけど、今回は殊更言葉のチョイスと配置がリズミカルで音楽的だね。気持ちいーい♬
    ATOLSさんを脳内再生しながら読んじゃいました(*^-^*)

    自身の海馬を穿り返して晒す…
    救済なのか自傷なのか判別の難しい作業のなかにこれだけの文体(リズム)を与える…
    これは狙ってるの?それともただの才能?!
    オートはすごいなぁ 絵と同じくらい好きです(´▽`)

    おいらは中学時代は好きな子の家のまわりを2時間くらいチャリで走り回っていました。
    偶然?会いたくて。
    よく通報されなかったなぁ。

    こういう厨二の滓を心の襞にサンドウィッチして今の魅力的なオートが構成されているんやねぇ。
    期待を裏切らないご馳走でした!
    またまたおかわり希望(^o^)/

    なんだかオートの文章読んでたら宮沢賢治(ある意味厨二日本代表)が読みたくなったよ。
    「春と修羅」に浸りながら寝ます。
    おやすみなさい

    • オートオート

      しぶやさん!
      前回に引き続き今回もコメントいただき、ありがとうございます!
      お返事が遅れてごめんなさい。。
      ATOLS脳内再生は嬉しいです。

      救済か自傷か、たぶんどっちもです。
      記事を書くにあたって、ああ振り返るのしんどいな…どうしたらできるかな…
      と考えた末、よし”廃材遊び”をしようと決めました。
      文体のリズムは、苦しい記憶も踊りながらなら渡り切れる気がしたんです。まじない的な。
      視覚的効果は特に意識しました。過去に現在の視点を投げ込めば、カメラはふたつ。
      視点の交差や各種の編集によって傷の昇華を試みました。
      傷が動く模様に見えてくればいいなと。
      安易な美化に陥らないように、できる限り予定調和を避けたり…
      こうした意識過剰の結果、とっても厨二臭くなりました(笑)
      絵にも触れてくれてありがとうございます。うれしいです。誰も触れてくれないので(笑)

      好きな子の家のまわりを2時間チャリで…
      恋の竜巻生こりそう ひとりでにキャンプファイヤー熾りそう
      思春期こわい!

      宮沢賢治の「春と修羅」まさにですね!!!
      僕も読みます。ありがとうございます(>_<)

  3. ゆうりゆうり

    オートさんこんばんは!
    「普通」って、なんでしょうね…
    人それぞれ違っていいだろうに、日常生活、特に義務教育の時って「普通」を押し付けられがちな気がします。
    「普通って、何?」「どこの誰が決めたの?」
    そんな反論や疑問が沸けども、意味のわからない「普通」を押し付けられる。
    わたしは保育士として、いや、人として、「普通」を押し付ける人にはなりたくないな~と思いますが、無意識のうちに、やっちゃってるのかな。
    オートさんの文章を公開日に拝読しました、電車の中で。
    私には、絶対書けない文章。
    その日すぐに、コメントをしたかったのですが、この気持ちというか感想を、どうやって言語化したらいいかわからなくて、何回も拝読してじっくり考えよう!って思っていました。
    オートさんの当時の心の中の迷いやモヤモヤが、情景として浮かんできました。わたしの乏しい想像力でも、それが掻き立てられる、読み進めていきたくなる文章。
    流されるのは簡単。だって、何も考えず、ついていけばいいんだもん。長いものには巻かれちゃえ主義って、楽。
    「いやだ!」って自己主張することは、本当に勇気がいる。
    生きてて、オートさんの文章を拝読できて、良かったです。うーん、ごめんなさい、わたしの文章というか語彙力というか、表現力じゃ足りなさすぎるのですが、んー…「ありがとう」っていう言葉が、スッと浮かんできました。
    もっともっと、オートさんのことを知りたいな、って思いました。(稚拙すぎて恥ずかしい)
    来月の記事も楽しみにしています。

    • オートオート

      ゆうりさん!
      最近慌ただしく、お返事がすっかり遅れてしまい申し訳ないです…!
      コメント、全行うれしかったです。
      お返事のためにまた読み返しているのですが、改めてうれしさの波にゆらゆら、揺られています。

      ゆうりさんは保育士というお仕事柄、日常的に子どもと接しておられますよね。日頃考えさせられることが多いんだろうな…と想像します。
      僕はふだん、子どもと接する機会がほとんどありません。
      今後子どもと関わるときにはあるべき「普通」を押し付けず、現実にある「多様性」を包み込めるようにありたい…
      とつい理想を描いてしまいますが、それよりはなんでもフラットに話せる関係になれたらいいのかもしれませんね。
      それは自分が子どものころ、正しい知識も必要だったけど、周りと一緒に「普通」ってなんだろうね?と考える時間があればよかったな、と思うからです。

      この記事では僕が性的少数者の当事者として「普通」を押し付けられた側の視点で書かれていますが、別な面では僕も多数者に属しています。
      日本に住んでいる日本人。二足歩行ができて、両手が使えて、両耳が聞こえて両目が見える。
      そうではない人たち、またそれ以外の表面上見えにくいマイノリティの人たち…を含め、僕を「普通」側に感じる人たちが、存在している。
      知る機会を得ること自体が難しいのですが、言葉などなんらかの届く形になっているのなら、彼らの視点を少しでも共有したいと思います。
      またあるマイノリティの中でまた別のマイノリティを持ってる場合もあり、ダブル・マイノリティや複合マイノリティと呼ばれます。
      例えばLGBTQのコミュニティで溶け込んでいても、ごはんを食べるときヴィーガンの僕は浮きます(笑)

      はっ… つらつらと書き連ねてしまってすみません!
      公開日に記事を読んでいただいて、さらに何回も読んでくださって。
      ゆうりさんに当時の僕の心を想像してもらえたこと、それがなによりもうれしいです。
      記事にしてよかった。
      記憶を文章にして書き出してみるだけでもわりと楽になったのですが、
      それが人目に触れて、ゆうりさんに「ありがとう」と言われて、成仏してしまいました。
      こちらこそ供養していただきありがとうございます。
      けどもっと僕のことを知りたいと言ってくれたので、喜んで再び下界に降りてしまいました(笑)

  4. しえさんしえさん

    細かなガラス片がばら撒かれた砂浜を、
    裸足で歩ってしまったような感覚。

    うん、何を言ってるんだお前はみたいなって感じだけど、
    オートさんの記事を読み終わって最初に思ったのがそれでした。

    そして「性同一性障害」という名前を知った時のオートさんの感覚がすこしだけわかるような、
    その裾野を掴めたような気がしたのは、同じではないけど私も少し似たような経験があるからかもしれない。

    冒頭の感想に戻ると、
    オートさんの記事は裸足で砂浜を歩く様な心地よさがある。
    それは軽快な書き口によるものだと思う。
    でも、よく見ればそこにはたくさんのガラス片のような鋭さがあって、
    心地よくて歩きすぎてしまうと、足は傷だらけに。
    でも、楽しい。心地よい。
    ぴりぴりとした痛みが広がるとわかっていても歩かずにはいられない。
    そんな魔力がオートさんの記事にはある。
    (おっとうっかりポエミーに!笑)

    • オートオート

      しえさん!お返事が遅れてしまってごめんなさい(;;)

      しえさんのコメントを読んでいたら、拡張現実にいざなわれました。
      今年の夏は海に行っていませんが、
      足裏にリアルな砂浜の感触がして、気付くとそこに立っていました。
      網膜に点描する、砂浜のきらめき…
      ガラス片に刺されるぴりぴりと、太陽に熱せられるひりひりとが、入り混じる…
      いたいような、いきてるような。
      (こ、これがポエミー共鳴!)

      気付くとしえさんの感覚を追体験させてもらっていました。
      記事を読んでもらえて、その砂浜に連れ出されて、僕も楽しかったです。
      しえさんの見る景色を僕はまた見たいです。

      (…なんだかしえさんの書いた記事にたいするコメントみたいになってしまいましたが、気にしないでください(笑))