10月

住人

マヨネーズをかけるために生まれてきたんだ。

とばかりに彼はこだわりのスパイスカレーに絞り出します。

あっという間にカレーライスマヨネーズ味が完成します。量からしたらマヨネーズの方が多いかもしれないのでマヨネーズライスカレー味かもしれません。

こだわりのスパイスの奥深い味わいはマヨネーズによって上書きされます。

スパイスの気持ちになると、胃が張り裂けそうです。

彼がそれを美味しそうに食べるのでこちらとしては何も言えませんでした。

あと、裸足で外を歩きます。そっちの方が強そうだろ、と言ってのけます。

彼は周りの目は気にしません。彼を気にするのは周りの方だからです。

あと、いきなり愛について語り出します。詳しく述べるほどでもないのですが、そういう話が彼は好きでした。

端正な顔つきからは想像できない変人。

そんな彼は突如行方不明になってしまいました。

そして今月のこと。

ここは都内の有名なチェーンのカフェ。

目の前の少年がバックから徐にマヨネーズを取り出し、ホイップの上からそれを絞り出していました。

もしかすると幼くなった彼かもしれない、と思います。

とはいえここはコナンの世界じゃないんだぞ、と我に帰り、私は帰宅しました。

忍田 広昌

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