傷つけたくない 傷つきたくない 

住人

一度書いた下書きを、全部消した。

かなしみを書くことで、どこの、誰かを、どんな風に傷つけてしまうのか
考え始めたら、書けなくなった。

誰のことも責めていない、
私が感じていることを書くことをゆるしてほしい、

誰も悪くないから。

人生は
論理的にできていない。
正論は時として
全く意味を持たない。

けれど心は正直で
ぼろぼろと崩れていく。

崩れる前に見えていた景色を
うまく思い出せない。

もしかしたら別の選択肢があったのだろうか
私は何をどこで間違えたのだろうか

そう考えること自体
誰かを傷つけてはいないだろうか。

こんなぼろぼろの心で
生きていくことなどできるのだろうか。


ほんとうは
こんなにひとりで強くなどなりたくなかった

傷ついた自分のことを
もっと尊重するべきだった。

誰かを傷つけたくないあまり
自分の心を刃で刺して
ネットで拾った笑顔をコピペして

こわい、何かをうしなうことが。
うしなわないことでうしなっていくのもこわいし、
ただ、うしなうこともこわい。

対話が、したい。
話を聞いてほしいと求めることすら
こわくて心臓がもたないから
私は今、対話が、したい。

正気ではないのかもしれない。
泣きながら笑って大丈夫というたび、
どうしようもないのにLINEで平気なふりをするたび、
私の心はもうどうにもならないところまで
壊れていってしまって

誰も、悪くない
そう感じてしまっている私がすべて、悪い

そうすることでしか 
私は私の世界を、守れない

思い切って電話をしてみたり
会いたい人に会えるイベントに参加希望を出してみたり

私はいまも必死で、乗り越えようとしている

まだ 大丈夫になれるだろうか
その方法を
見つけていけるだろうか

誰も傷つけずに生きていくのは
無理なんだろうか
同様
誰からも傷つけられずに生きていくのも
無理なんだろうか

傷つかないで
わたしも あなたも あのひとも
できるかぎり
傷つかないでいて

大丈夫に なりたい

私は 私のそばにいてくれるひとを大切にしたくて
同時に自分のことも 大切に したい

しづく

夕暮れと夜の狭間で息をしています。 迷子のちっぽけな小説家です。

プロフィール

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