ことばと、傷
書けない、と思っていた、けど思いながら、書いています。ことばと、傷に、ついてです。
ことばは、ひとを傷つけようとして使ってはいけない。そう、願っています。ほぼ祈りの領域です。それくらい、私はことばに命を賭けている。誓えます。
たったひとつのことばで、人生は変わってしまうことを知っています。ことばから受けるかなしみやくるしみは、音がなくて、色もない。ただ静かに、世界が崩れていく。受けたことばは、消すことができない。受けたほうだけが、ずっと、抱えなければならない。
誰かの悪口で笑いをとるのが、昔から、すごくすごく苦手でした。笑いたくないのに笑わないとその場を乱してしまうから、無理して笑わないといけないのが、すごく嫌だった。こういう姿勢をとると、いい子ちゃんぶってる、と思われてしまうのもつらかった。私は、誰かに、ことばで、くるしい思いをしてほしくない。ひとつのことばで心が崩れてしまう恐怖は、底知れない。だから、願わくば。「悪口は言っていい」「はっきり言うことが美徳」という正義を振りかざして、頑張っている人や、幸せを目指している人たちを陥れるようなことばを、使うなんてことが起こりませんように。それはすごくすごくかなしいことだから。そんなこと、あってはいけないことだから。そんな経験、誰にも、してほしくないから。
ことばは、大切なひとに思いを伝えたり、笑顔にしたりするために、ある。どんなふうに時代が変わっていっても、その軸だけは、ぶらさずにいたい。ただ、これも私の感想で。どう受け取られるかは、相手によるので、わからない。
傷ついたぶん優しくなれるなんて嘘で、優しくなろうとした人だけが優しくなれるのなら、全部背負って、それをどう切り取って搾取されたとしても、私は私の信じる優しさを、優しく在りたい人たちのために、使いたい。
たった、それだけの、願いです。
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