【006】「100日間生きたワニ」を観て

住人

最近22歳になりました。フォルテッしもです。

「レビュー」「口コミ」といったものに左右されがち…そんな人はいませんか?
割と多くの人が、ネットショッピングの際にチェックしたり、外食の前に調べたりして行動を委ねているんじゃないかと思います。

一方で、そんなの全く見ないよ!なんて人もいますよね。
レビューに左右されたくない、行ってみなきゃわからないお店がいいなど、評価は自分が決めるんだという心意気を感じます。

私は結構前者で、ちゃんと下調べしてから買い物をしたり、行くお店を決めたりしてしまいます。
ただし、映画だけは別です。

もう公開終了してしまった劇場も少なくないとは思いますが、7月中旬に「100日間生きたワニ」という、ネットで酷評されていた映画を観てきました。

Twitterで「100日後に死ぬワニ」として一世を風靡し、その後企業絡みの案件が続々と出てきて炎上。
100日間毎日きくちゆうき先生の漫画を追い続けた人ですら、一気に冷めてしまったという話も聞きました。

まぁ私はというと、その漫画をほとんど見てませんでした。
100日目だけ見たような記憶がある程度です。
そんなめちゃめちゃ「100ワニニワカ」な私でも楽しめるのか心配な気持ちがありましたが、いざ入場。

なんとなんと、公開5日目にして観客は私だけ。
そこまで不人気なの?!と思いつつ、NO MORE 映画泥棒を見て気持ちを高めていきます。

上映開始。以降はネタバレを含みます。

本編は大きく分けてプロローグ、前半、後半の3つに分かれています。

まずプロローグはお花見のシーンで、いきなりワニは死を迎えます。これは衝撃的でした。
映画における主人公が死ぬまでの時間としては、歴代最速なのではないでしょうか。
しかし初めに死を描くことにより、この後のストーリーがとても分かりやすくなっています。

前半は原作通りに、死ぬまでの100日間が描かれます。
私はほとんど初見の内容でしたが、原作をご存知の方は十分楽しめるでしょうし、原作を知らない私のような人にとっても結構楽しめる構成で、所々で笑ってしまう面白さもありました。

あとこれは余談ですが、声優が豪華なんですよね。
どのキャラもあまり多くを語らないタイプなのですが、心情の変化を丁寧に声や間合いで表現されててとても入り込めました。プロってすごいですね。

そして後半は原作に無い部分、ワニが死んでから100日後の世界です。
ワニを失い、生活が荒み、心に穴が開いてしまった…そんな様子の友人たち。
仲良しだったメンバーで集まることや、友人同士で会うことすらしません。

そこにやってくるのがカエルくんです。
このキャラは強烈なんですが、陽気で空気を読めないカエルくんと周りの友人たちのギャップが、ワニを失ってしまった喪失感をより強調していて良かったように思います。
観る人によってはイライラするかもしれませんが…

そして終盤に、何をとは言いませんが、カエルくんは2回告白をします。
その告白がキッカケとなり、周りの友人たちがカエルくんと心を通わせていき、終いにはワニの穴を埋めていく…

こんな感じです。
大筋は文字で伝えられる程度のストーリーなので、そこまで強烈な感動はありません。
ただ、ワニの死までの100日間と、死から100日後の対比から「死」への向き合い方を考えさせられましたし、かと言って重苦しくもなかったので、まさに笑いあり涙あり(私は泣きませんでしたが)の良作になっていたと思います。

それで映画の感想はどうでもいいんですが、観終わった私は、「どうしてみんなこの作品を観に行かないんだろう?」「どうしてそんなにこの作品が酷評されるんだろう?」と思ってしまいました。
まぁ確かに、上映時間が60分なのに普通の映画と同じ料金でコスパが悪いだとかあるのかもしれませんが、それにしてもこの作品がそこまで悪く言われる理由はないように思います。

炎上がキッカケとなって、「ネットのおもちゃ」にされてしまった…ということなのでしょうか。
「みんなが叩いているから、叩いてもいい」という集団心理(確証バイアスとかフィルターバブル)のようなもの?

意見は人それぞれだと思うので、もし100ワニを観てみたいと思った人はぜひ観てみてください。

評判だと聞いていたものが、実はそんなでもなかった…というよりも、
評判の悪かったものが、思っていたよりも良かった…!という方が、なんとなくちょっとハッピーな気がしませんか。

どうせ死ぬのなら、少しでも幸せに生きていきたい。

フォルテッしも

1999年生まれ。うどんが好き。変えられるものを、変えていく。 思ったことを、思っただけしか書きません。

プロフィール

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