高校のこと

住人

高校に入学してから1年、クラスに上手く馴染めなかった。多少同じ部活の人達と話すことはあったが基本的にいつも1人でいた。自分から輪に入る事を怖がっていた。休憩時間は携帯のアプリでテトリスしかやっていなかった。如何に高いスコアを取るかだけを考えて1人もくもくと遊んでいた。そんな寂しい期間を1年近く過ごしていた。今思うと何で周りともっと接しなかったのだろう。もっと話しかけなかったのだろう。今だったら…とか色んな事を考える。


たぶん自分を出すこと、それを他人に見られるのが極度に怖かったのだと思う。自分を見せる事で引かれる、嫌われる、否定される、ことが本当に怖かったのだ。特に学校なんて、3年間同じ学び舎で過ごさなきゃいけないんだ。嫌われたら終わりだと思っていた。そんな事を考えて、周りと接しなきゃと思う以上に自分を見せる事が怖く、1歩踏み出す事ができなかった。そんな僕の生活を変えてくれたのは、同じクラスの人達だった。僕が思っていたより、周りの人達は優しかったんだ。徐々にクラスに溶け込む事ができて、沢山の思い出が出来た。


1人きりで過ごしていた1年は、当時はすごく長く感じていたけど、今思うと一瞬だったようにも思える。あの1人きりだった頃があるから、周りの優しさをより強く感じることができた。あの時の経験があるから今の自分がある。


今でも昔のように、自分を見せる事が怖くなる事もあるし、勇気がもっと欲しいと思う事がある。自分のやった事に後悔する事もある。だけど、周りの世界は自分の想像より優しいんだ。もっと勇気を出して動いてもいいだと思える。

そんな高校の時の事を思い出して、僕は今も生きている。

こーへい〆

無職のベーシスト 兼 愚痴聞き屋

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  1. ワタナベ

    「周りに許容される自分ではない」とか「自分の色を出さない方がクラスがうまく回るならそっちの方がいいな」とか、自分はよく10代後半に考えていました。

    周りは自分が思っている以上に優しかったんだ って思えたこーへい〆君は良かった。許容される経験を積むと、案外いまの自分も悪くないと思えるのかなぁ〜 って僕は考えています。

    こーへい〆君の文章、好きです。

    • こーへい乄

      ワタナベさん、コメントありがとうございます。

      その気持ちすごく分かります。
      自分の色を出す事で場が乱れてしまう、だったら自分を出さないでいようと思ってしまう事がありました。

      許容してもらえるのは自信にも繋がりますし、そういう場や相手がいるのはとても大事だと思います。
      確かに、高校時代にその事を知れた僕はラッキーでした。

      そう言って貰えると本当に嬉しいです!
      ありがとうございます。