『革命は「熱情」と共に』
私には可愛い友達がいる。
(でも実のところ、私は彼女を友達と呼ぶことに些か抵抗がある……。彼女だけじゃない、誰かを「友達」と呼ぶことに抵抗があるのだ。「私なんかと友達なんて……」と卑屈さ100%を発揮してしまう。友達という言葉に振り回される27歳。自分で自分にいい加減にしたまへと言いたくなる。うじうじと友達という言葉を近くに寄せたり離したり……。話が進まないから、今はそれを横へ置いておいて、彼女を友達と呼ぼう。いや、呼ばせてほしい……)
彼女が私にもたらした素晴らしい影響の話を綴る。
忘れないように、大切に。
彼女は可愛い。良いカメラを渡されたら飽きずに日がな一日写真を撮ってしまうと思う。(思うというか、実際、一眼を引っ張り出して彼女と半日お出かけしたら、ひたすらシャッターを切っていたので、間違いなく一日中写真を撮ってると確信した。)写真におさめたい。それほどまでに彼女には可愛くて華がある。そしてとても努力家だ。自分のありたい姿を実現するためにひたむきに努力を重ねている。その姿はすごくかっこいい。可愛くてかっこよくて、努力家、私の素敵な友達。
そんな彼女は私のことを「可愛い」と褒めてくれる。卑屈な私は「いやいや、そんな……うん、でも、ありがとう」と辛うじてお礼は言えたが、心の中では「いやいや、そんなわけなかろう……」と卑屈さ全開になっていた。
ある日、彼女と撮影会をすることになった。想い想いの格好やメイクをして写真を撮ったり、撮られたり。私には初めての試みだったので、撮影会当日を迎える前に彼女にメイクを教えて欲しいとお願いした。
大きな鏡の前。机の上にたくさんの化粧品を並べる。下地、ファンデーション、眉毛を描いて、アイシャドウを塗って、アイラインを引く、マスカラ、チーク、リップに……と、自分の顔が普段と変わっていく。メイクをしながら色んなことを教わる。その度に彼女の努力と勉強家な一面が垣間見えた。たくさんの会話を重ねる中で彼女は私の顔のパーツをとても褒めてくれた。その時はいまいちピンと来なくて、決まり文句のように「いやいやいや……」と思った。彼女からメイクを教わって以来、日々実験と称して一人でもメイクを続けた。試行錯誤する内に自分の好きな色がわかった。
MAJOLICA MAJORCAの「熱情」という綺麗なピンク色のアイシャドウがお気に入りになった。
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「自分を自分の恋人のように思ってるの」
ある日、彼女はそんな話をしてくれた。素敵な考え方だと思った。自分を恋人のように思うってことは、きっと恋人のように大切にするってことだろう。よく「自分を大切にしなさい」なんて言うけど、それってすごく難しい。大切にするってどうすればいいの?よくわからない。でもその答えのひとつが「恋人のように思う」なのかもしれないと思った。私も…真似っこしてみよう。自分のこと、自分の恋人のように。
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恋人のように、か……。そうは言うものの、いまいちピンと来ないから、ちょっと脳内会議してみよう。シミュレーション、シミュレーション。恋人にするくらいなんだから、やっぱり好きなのかな。どこを好きになったんだろう。内面?「人は見た目より中身」ってよくいうよね。しかし、中身か…。複雑な気持ちだけど、とりあえず、この場合、中身も好きになったと仮定しよう。仮定ね、仮定。他には?ふむ、……見た目?見た目かぁ……。そう言えば、彼女は私のこと「可愛い」って褒めてくれてたっけ……、しかもパーツ単位で細かく。可愛い、かぁ……。……恋人は可愛いよね。可愛く思えるものだよね。ということはだ、自分を恋人のように思うってことは、私は可愛い…?
私は、可愛い、のか?
あれでも恋人として考えたら、
なんか、だんだん、可愛く、思え、て……?
???
え?
可愛くない?
私、可愛くないか!?!?
っていうか、うん、可愛い!
可愛いわッッッッッッッッッ!!!
可愛い、カワイイ、かわいい、Kawaiiiiiiiiii
わーーーーーーーーーーーーーー(もだもだもだ)
え、でもちょっと待って?
ちょっと待って……
可愛いがゲシュタルト崩壊を始めたけど、
ちょっと待って?
私は可愛い(確信)
可愛いけどさ、
可愛さ、引き出せてなくない!?
今のこの体型じゃ私の可愛さ、
100%出せてなくない???
OK、ハニー!
痩せようぜ!!!!!!!
痩せて私の可愛さ、
100%出してあげようぜ!!!!!!
.
.
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脳内会議終了。
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自己肯定感爆上がりワロタ。
思わずスラングで話したくなるほどの革命。ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』から女神が旗を掲げて額縁から飛び出しそうな勢いである。何が起きたのか私にもわからないけど、私は私を可愛いと思えるようになったことはわかった。
長野に来てから20キロ近く太った。理由はたぶん病気のせい。太ったことで元々マイナスだった自己肯定感はさらにマイナスになった。卑屈もさらに卑屈になった。それでもたまに可愛いと言われることがあった。その度に卑屈な私が暴れた。「こんなに醜い私を、こんなに太った私にそんな言葉を投げかけないでくれ」自分が嫌いだ。太った自分はもっと嫌いだ。痩せようと思っても長続きしなかった。そのうちに痩せられないのは病気のせいにして、痩せようと努力すらしなくなった。自分嫌いのループが生まれた。メビウスの輪みたい。抜け出せない自分嫌い。それはとても苦しかった。苦しくてくるしくて、変わりたかった。でも、どう変わっていいかわからなかった。変え方がわからなかった。
「自分を自分の恋人のように思う」
この一言が変えてくれた。変え方を教えてくれた。努力家で可愛い彼女の力強い一言だから、だからこそ響いた言葉。でもこの一言だけじゃない。彼女や今まで私を「可愛い」って言ってくれてた人たちの言葉が地層みたいに積み重なった結果だ。そうして私の中でも地球磁場の逆転が起きた。N極とS極の逆転。白が黒へ、黒が白へ。オセロのようにパタパタと意識がひっくり返っていくのを感じた。
まずスキンケアが変わった。肌の手入れなんてほぼしてないに等しかったけど、丁寧にするよう心がけた。それから飲み物が変わった。時期もあるけど、冷たいものを取りすぎたという自覚が生まれ、温かいものや水を口にするようになった。砂糖がじゃぶじゃぶ入っていた飲み物も少しずつ辞められるようになった。(まだたまに飲んじゃうけど!)食べるものも変わった。温かいもの、胃に優しいものを取るようになった。だんだんと胃が小さくなっていくのを感じている。ストレスから暴食する日も少しずつ減ってきた。ただ「痩せたい」という漠然とした意識から「可愛さを引き出すために痩せたい」そう思っただけで、今までできなかったことがちょっとずつできるようになった。まだ見た目とか体重に変化はない。でも心はすごく平穏になった。苦しさも和らいできた。自分嫌いのループから抜け出しかけてるような気がする。
素晴らしい意識革命。
私はここに宣言する、私は可愛い!
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って宣言までしておいてあれだけど、正直、私は本気で心の底から私を可愛いとは思えていない。やっぱりどこかで自分嫌いな自分が顔を出してしまう。「私は可愛い(そんなわけない)」とカッコ書きしたくなる。でもそのカッコの中身を1文字ずつ消していけたらいいなと思う。「私は可愛い(そんなわけn)」とりあえず、1.5文字消してみた。自分嫌いな自分と、自分を恋人のように思う自分。色んな自分の中でゆらゆらぐらぐらしながら日々を過ごす。
「私は可愛い」
ちょっと強くなれる呪文みたいだ。
しえさん は あらたなじゅもん 「わたしはかわいい」 を かくとく した!
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彼女に私に起きたこの革命について伝えた。
「あなたは可愛いよ?今頃気付いたの?」と笑いながら返ってきた。
しえさんは可愛いですよ(はぁと)
実際にお会いしたことはないけど、なんか想像がつくんです!
「情熱」、素敵な言葉ですね。
マジョマジョのアイシャドウ、わたしも愛用していて、涙袋形成に「恋の達人」を使っています(笑)
恋の達人のように、周りを愛して、愛されるような人になりたいなーっていう言霊を取り込もうと(照)
わたしは中学、カトリックの学校に通っていました。
その時にシスターが授業で「鏡を見ながら、「わたし可愛いね」って言うと本当に可愛くなってくるよ」って言ってくれました。
わたしも来月は、しえさんの記事を反映して、記事を書いてもいいですか?
わたしも、わたしの可愛さを引き出す為に、痩せて、アトピーの薬の服用頑張る!
これからどんどんステキになって、もっともっとしえさん、可愛くなっていきますね♪
▷▶︎ゆうりさん
お返事遅くなってしまってごめんなさい!
えへへ、ありがとうございます。
実際お会いしても可愛いって思ってもらえるようがんばろう…!
ゆうりさんも、マジョマジョのアイシャドウ愛用者だったのですね。
マジョマジョ、ネーミングセンスが素晴らしいですよね。
言霊を取り込もうとするゆうりさんの姿勢、素晴らしいです!
ゆうりさんは、今も素敵だと思うのですが、
さらに素敵で可愛くなられるのですね!
一緒に頑張っていきましょ!
やっと読めた!(メンタル的に)
どんな努力も続かない私が、唯一続けられているのが外見を良くする努力です。(といっても、欲望に勝てない人間なのでダイエットはうまくいかない自信があります。)
そもそも私がこじれた原因はまさに外見のことで、最初のおどりばにも書いたように、私は重い一重かつ近眼で目付き悪いブスで、さらに服がダサくて人見知りで、完全に陰キャでした。ここまでは書いてないか。家族が全員二重だし、親は普通に人の外見にケチつける人(家族のことは好きだけどこういうところが未だに嫌い)なので、お前だけなんで一重なんだろうねwと言われ続けたし、好きな人に告白した次の日から無視されたりしたし、まあそんなこんなで自分の外見がめちゃくちゃ嫌いでした。だけど同時に、他のパーツはそこまで崩れていないので、コンタクトにしてメイクさえすれば顔面偏差値が上がるんじゃないかという微かな希望も抱いていました。
メイクをしたら浮くような学校、部活だったので、勇気が出なくて高校まではコンタクトだけでしたが、大学に入ってメイクをはじめたら、がらりと変わりました。かわいいと言われることも増えたし、初対面で陰キャだと思われなくなったし、何よりどんどん顔つきが変わっていったんです。ほんとうに。
メイクって、すごいんです。気づいたら、すっぴんまでかわいくなっていきました。自分で言うな。
人は見た目が100パーセントではないと思います。だけど、見た目は大事です。かわいくないよりかわいいほうがまわりからの風当たりがよくなります。私はそれを自分で証明してしまった。何より、かわいいほうがじぶんを好きでいられます。
じぶんがたりマンになってしまった。なにがいいたいかというと、わたしはしえさんがもっとかわいくなるのが楽しみです!
わたし、ひとの外見が変わるのを見るの、大好きなんです。イメチェンフェチなんです。だから楽しみです!!もしよかったらかわいくなるツアー、一緒にやりたいです。
余談ですが、マジョマジョのアイシャドウヘビーユーザーなのでサムネ見てめちゃテンションあがりました。わたしの推しは「テディ」です。
▷▶︎うめこさん
お返事遅くなってごめんなさい!!
かわいくなるツアー、一緒にやりたいです!!!!
実はうめこさんのメイクとかお洋服とか自撮りとかめちゃめちゃ好きで、
ひっそりと憧れていたりします。
たぶんそれは、うめこさんの努力がしっかり形になってるからなんだなと思いました。
そんなうめこさんにかわいくなるツアーのお誘いをいただけたり、
もっとかわいくなるのが楽しみと言ってもらえるのは、もう天にも上る気持ちです。
嬉しー!頑張ります!!!
「テディ」可愛いですよね!
でもまだ使ったことないので次の自分へのご褒美に買おうかな!
▷▶︎オートさん
お返事遅くなってしまってごめんなさい!
オートさんのお話が聞けて嬉しかったです。
正直に告白しますとこの記事を出したあとに、
季節の変わり目にやられて好循環から悪循環に逆戻りしてしまったことがあります。
人はなかなか変われないのかもと思いましたが、
挫けそうになるたびにこの記事といただいたコメントを読んで自分を鼓舞していました。
特にオートさんの無理なく続けられた食生活の話を読んでは、
無理しない、無理しない、と言い聞かせることができました。ありがとうございます。
まだまだなかなか好循環を保てずにいますが、すこしでもこの革命による変化を持たせていきたいなと思います。
そしてオートさんも一緒にかわいくなるツアーいきましょう!