あなたになりたい
今までの記事を読み返してみたら、いい人ぶりすぎていた。わたしはこんなに綺麗な人間じゃない。もっといやなところもある。そこを曝け出す強さがないだけだ。今回はだらだら書いてみてもいいんじゃないかと思う。
わたしのなりたい、なりたかった、なれなかった「あなた」が世界にはたくさんいる。
ないものねだりだとわかっている。他人の芝はいつも青い。それでも、わたしは完璧超人になってみたかった。今でもまだなりたいと思って、わたしにない部分を持つあなたにずっと嫉妬している。
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現役で受かったあなた。
自分で道を切り開いていけるあなた。
批判されても続ける強さがあるあなた。
みんなの前で泣けるあなた。
「癒しだよ」と言われるあなた。
辛いとみんなに言えるあなた。
甘え上手なあなた。
顔がかわいいあなた。
悪口を言われても上手にかわすあなた。
とんでもないコミュ力を持つあなた。
目力の強いあなた。
舞台の上で輝けるあなた。
努力を続けられるあなた。
誰かの、何かの1番になれるあなた。
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他の人をみていると、わたしにはできない、わたしにはないところばかり目につく。だからこそ人間が大好きだけれど、悔しい。いちばんになりたい。負けたくない。勝ちたい。完全無欠の人間になりたい。そう思う気持ちが湧いてきてしまう。それなのにプライドが高くないかのようにふるまっているので、人の前では戦おうとすることからへらへらと逃げる。ひとりになって、そういう態度をとった自分に対しても、勝てなさそうな事実に対しても辛くなるのだ。自分が惨めに思えてくるのだ。
「自分に正直であれ」とはよく言ったものだが、こんなに難しいことはない。自分の価値観は社会によって形成された部分も大きいし、自分に正直でい続けたら病んでしまうと思う。自分にも嘘をついて、ごまかしごまかし生きている。自分のことを大嫌いにはならないように、自分がいていいと思えるように、逃げ道を探して生きている。
わたしには歩けない道をあなたは歩いている。それは誰もが同じことだ。だから比べる必要なんてない。もうあなたがここで生きていることが、わたしがここにいて自分の道を歩いている理由になる。
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という綺麗事を、心の底から言える日は来るのだろうか。今のところは無理だ。
でも朝井リョウさんの本にこんな言葉があった。
「・・・きれいごとだと言われるかもしれないが、宝石だってなんだって、きれいなものは大抵硬いのだ。そんなに簡単に崩れはしない。」
わたしもたくさん人を羨んでもがいたらいつか、自分じゃないあなたが目の前にいても自分を誇らしく思える日が来るのだろうか。その気持ちが確固たるものになる日が来るのだろうか。来たらいいなと思いつつ、それは慢心ではないかと不安にもなりつつ、まだわたしの中で答えは出ない。
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迷ってる困ってる君を見ていたいと思うわたしもずっと揺れてる
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