p14:語れる夢を見る大人に

住人

最近よく、夢について考える。

寝るときに見るほうじゃなくて
未来のことを考えるときに見るほうの。

どうしてかというと
理不尽な社会に、押し潰されそうだからだ。

指示されていないことを怒られたり
昨日は承認されたことを今日突っぱねられたり
突然スケジュールを変えられたり
機嫌が悪いひとに八つ当たりされたり
正しくないことを正しくないですと指摘しないことが正しかったり

いろいろなことを
「社会人だから」
「社会とはそういうものだから」
という理由で
飲み込むのが正義とされるこの世界は
私にとってはかなり苦痛な出来事で溢れている。

社会は変わらない。
だとすればここで生きていくには
自分が変わるしかない。

大なり小なり、
どこにいっても理不尽なことがあるのは間違いないし。

そういうとき、必要なのは
心の拠り所だと思う。

自分とデートする日をつくるとか
とびきり好きな料理を自分でつくってみるとか
親しい知人に会う約束を取り付けるとか
家族のことを考えるとか

人それぞれ、いろいろあるだろう。
だけど、そういうものがまったく効力を持たなくなってしまう瞬間が私にはある。

特に、拠り所を他人に据えているとだめだ。
自己肯定感が地の底まで落ちたときは、
心配してくれる人、大切な人が
自分の支えになることはあるけれど
その度に不安になってしまう。

私は、この人がいなくなったら
生きていけるのだろうか。

どうしてこの人は
私みたいなやつに優しいんだろうか。

と。

本当に落ち込んだときは
食欲も物欲もなくなる。

そうなるともうだめで、
頭の中が死にたいで埋め尽くされていく。

私には、働くモチベーションがないのかもしれない。そんなふうに考えることが何度もあった。

少し語弊があるな。
怒られてまで、働きたくないとか
理不尽だなあと思うこと、飲み込んでまで
頑張れないとか、そんな感じ。

だから、
理不尽な扱いを受けたり
強い言葉で叱られたりしたときに
自分の力で立ち直れないのだと思う。

夢が特効薬になるとは思わない。
だけど、夢がほしい。

夢があれば、少しだけ強くなれるような気がするから。

とある企業の取材についていったとき
取材対象者の人たちのきらきらした目の輝きに
吸い込まれそうになった。

この人たちは、大変な仕事を理不尽だなんて思わないんだろうな。

勝手な想像でしかないけれど。
この人たちも、なんだアイツクソムカつくな!!!とか言いながらハイボールをがぶ飲みするのかもしれないけれど。

でも私は、夢を語る人の目が好きなんだと思う。

あの人たちみたいになりたい訳じゃなくて
(そんなことを言うのは畏れ多いくらいすごい)
あの人たちと比べたら自分なんて雑魚だなとかそういうことじゃなくて

だけど、そうだな

私は、目をきらきらさせて夢を語れる人と
夢を語れるようになりたいなって
そう思った。

これってもしかして、
私の夢だっていえることなのかもしれない。

語れる夢を持つのが夢なんだ。

とはいえ、夢があったからといって
日々起きるムカつくことを突っぱねられるかといえば
答えはノーだと思う。

夢があるんだから頑張るぞ!
たとえどんなにムカつくことを言われても、
にこにこして気丈に振る舞うぞ!
とは残念ながらならない。夢は特効薬じゃないから。

だけどやっぱり、なにか夢があると
くじけそうなときに
たとえば
オフィスの窓ガラスをぶち破って、
ここから飛び降りてやろうとか思ったときに

後ろ髪引かれる思いが
前より少しだけ大きくなるかもしれない。

その思いの発生源が
好きなものや人だけじゃなくて

自分の夢だなんて
ちょっとかっこよくない?

だから私は、夢を見つけたいと思う。
目をきらきらさせながら、誰かと語れる夢を。

うめこ

すごい人になりたかった人です。

プロフィール

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  1. ゆうりゆうり

    ゆめ、新たにできたのかしら。はたまた、新たに夢が、できるのかも、しれないね!
    前は、うめこちゃん、ライターになるんだー!って話して(書いて)くれてたよね!
    いくつになっても、大きい夢も、小さい夢も、叶えていけるから、またうめこちゃんの夢、教えてほしいな。
    社会人になって、理不尽なことに従うのが大人なら、わたしは大人になれないやっ(笑)
    うめこちゃんは本当によく頑張ってるよね…!!どうか、うめこちゃんの豊かな感性を、社会に負けず、持ち続けてほしいな。