好きなんて書かなくてもあなたに伝われ
ひとりの夜が怖くなくなった。
ねじりパンみたいな、絞られている雑巾みたいな寂しさで心が切れそうになる夜にも、あったかい気持ちが芽生えた。
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ずっと嫌いだった歌詞、「あなたがいたから」「あなたと出会うために」「あなたさえいれば」、、、、
「あなた」なんてくそくらえだと思っていた。ずっとどうせ1人だよ。どんなに苦しくても1人だよ。だってみんな死ぬんだ。ひとは変われないんだ。自分の機嫌をとってくれる人なんていない。わたしが死んだって世界は回るから、わたしなんていなくたっていい。
ちょっと前まではそう思っていた。
でも、突然世界は動いた。「あなた」が現れた。本当にびっくりした。
あなたは話を聞いてくれた。あなたは受け止めてくれた。そのままでいいと言ってくれた。その言葉を信じてもいいと思えた。
こんなことがあるんだ。と思う。こんなことがあっていいんだ。救われていいんだ。辛かったことを、笑い話にしなくても話していいんだ。
なんて当たり前のことを言っているんだろうと思う。孤独や苦しみはいくらでも人と違うように語れるのに、幸せは一般化した形でしか話すことはできないのかな。
世界に許してもらえたと思った。ここにいていいんだと思えた。不特定多数じゃないひとりに、仮面を被らずに自分のことを話していいなんて思える自分が不思議だった。
たぶんこの文章を10年後とかの自分が読んだら赤面して笑うんだろう。若かったなって恥ずかしくなるんだろう。でも今しか思えないことは思っておいた方がいい。
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「星の王子様」の好きな場面。
…砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ。
というところ。
そういうことなんだと思う。「あなた」なんていないよとひねくれていた自分も、空が綺麗だとかご飯が美味しいとかちゃんとわかっていたのはそういうことだ。そしてその時の「あなた」はあなた1人じゃない。私を少しずつ思ってくれる人たちがいたから、わたしは生きてこられたんだ。
このおどりばで、必死になっていろんなあなたに気持ちを伝えようとしたのは、わたしも誰かの「あなた」になってみたかったからだ。わたしを支えてきてくれた「あなた」たちのひとりに、わたしもなりたかった。今もなりたくてなりたくて仕方ない。
でもいったん、あなたにとってのあなたになりたいと思う。すごくわかりやすくて難しいことだから、そうなれたらすごく嬉しい。寂しいからみんなのあなたになろうとするんじゃなくて、自分が幸せでゆとりがあるからみんなのために動ける人でありたい。見た目はほとんど変わらないけれど、その方が幸せだ。みんなが幸せであればいい。そのなかで、あなたの幸せにわたしがいたらもっといい。すごく幸せだ。人の気持ちは変わりゆくから、ずっとなんて言えないけど、あったらいいな、なんて、少なくとも今はそう思う。
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またあした、って昨日も言ったきっと明日も言えるはずだね泣きそうになる
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