カルガモになりたい

住人

「カウンセリング受けてみない?」
知り合いの先生からそんな話があった。

無料のzoomカウンセリング。何回も会っている人からの誘いだったので、安心感があった。

何個かのワークがあった。
最初のアイスブレイクみたいなワーク。
その中で、写真を選んでのイメージカウンセリングみないなものがあった。
4つの写真からいいなと思う写真を選ぶもの。
よくは覚えてないけど、人物、風景、動物、など様々なものがあった。
僕は湖面にいる白鳥の写真を選んだ。

「写真を見て、どんな感じがしますか?」

まずはそんな質問から始まった。その写真は、夕焼けの中にいるシルエットが美しい白鳥の写真だった。

「なんだか情感がある感じがします。そしてちょっと寂しそう。」
僕はそう答えた。

そして、何回か質問に答える感じでやり取りがあった。
「白鳥は一人なのか?この後仲間が来るのか?」
「今、ここに来たばかりなのか?飛び立とうとしているのか?」

僕は答えた。
「この白鳥は一羽で一人じゃないかなあ。それも、仲間から自分で離れた感じ。夕暮れの湖で、ちょっと考えごとをしている感じに見えます。」

「これからどうなると思いますか?」

そんな質問があり、僕は続けた。
「なんか別の生き物が来たらいいな。白鳥ではない生き物…。カルガモが来るとか?」

少しカウンセリングの先生に笑みがこぼれた。

僕は続けた。
「なんか、慰める訳でも、相談にのってくれる訳でもないけど、他の生き物が寄り添ってくれる感じって良くないですか?」

たたずむ2匹の姿が思い浮かんだ。
なんだか良い。

カウンセリングが終わってからフワフワと考えた。
僕は、カルガモみたいな存在を求めているのかもしれない。
利害関係なく、安心してそばに居てくれる存在。

そして、こうも思った。
誰かのカルガモになってあげたい。

roku

「街をクリエイティブに彩る!」看板屋さんに勤めるデザイナーです。イラストが得意です。粘土で立体を作ったりもします。考えながら、悩みながら、楽しみながら、日々...

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