好きなものはなんですか?

住人

と、聞かれたとき、私は毎回返答に困る。人は誰かと関わる際に必然的に何かを共有しないと関係が成り立たないと感じている。だから、自分のことを話す際は必ず”好きなもの”が付き纏う。新しいクラスの自己紹介では自分を他人に共有することが必須条件のようなところがある中で、私は自分の事すらよく分からない状態だからどこまでも困ってしまう。共有したい感情というものは正直少し邪魔だな。周りの人とわかり合わないといけなくて、周りの人が知ってそうなありきたりなキーワードを羅列して、そうやって自分のことを共有しようとする程、そこにいる自分と乖離してしまっている気がする。

それでも、好きなものがいまいちよくわからない私とは違って、何かに熱中している人も勿論いる。私の友人はアイドルグループが好きだったり、アニメが好きだったり…。熱中する対象が人であったり物である人もいる。そういう人の話を聞いているのはとても面白くて楽しい。人のことを知るのはとても好きなのでにこにこしながら耳を傾けてしまうし、人から教えてもらった情報が今の自分を形作っているのも事実だ。実際、自分の聴いている音楽などは人から教えて貰ったものが多い。自分の好きなものについて語っていたり実際に行動に移したりしている人はとてもきらきらしている。きらきらしているから時々羨ましくなってしまう。自分を理解してもらうために言葉に変換していくことはとても難しいけど 私もきらきらしていたいから、少しずつ、あいまいな形でもいいから伝えていきたい。誰とでもわかりあいたいわけじゃないけど、ちょっとわからないぐらいの感覚でちょうどよく過ごしていきたい。

はち

音楽と本とねむることがすきです

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