炸裂。

住人

わたしの名前は美しいと思うんだよね。バラを枯らすほどの効力があるんだ。きみの名前は在り来たり。でも、きみ自身はあらゆる才能の塊。どっちが幸せなのか、それは一目瞭然。妖精のつもりかよ。腹立たしくて、きみを平手打ちした。その時のスロ~モーション……。目の奥にはっきり焼き付いて。
〖ホテルいのうえようすい〗で待ってる。そこできみを抱きたい。そこできみを刺したい。ニュースになるかもしれない。有名人になんか、なりたくないけど。そもそも成功なんてしたくないって何度も言ってんだろ。ケンドリック・ラマ―に衝撃を受けた、去年を返してくれよ。
舞ってる、血の雨が。生命を叫んでいる。この散文のような詩を誰が読むというのか。誰がわたしを知っているというのか。誰も知らねえよ。わたしでさえもわたしを知らねえよ。きみだけがわたしを知ってる。だから明日、刑務所へ入れられたって平気。悪い人間じゃないってことをきみが証明してくれるし、見守ってくれるはずだからかな。
牢屋で規則正しい生活を。人を殺した記憶を失くして生きていくつもり。わたしは吸血鬼で、麻薬中毒者なんかじゃない。薬物を所持して使う前に逮捕されるなんてマヌケだったなあ。サイボーグのおばけに呪われるのは幻覚。夢見がいい明日の朝に死んでよ。スマホばかり見てるなよ。何か伝えることがあるはず。言葉で人を殺すことはできない。言葉で人を死ぬほど傷つけることはできても。
わたしは言葉に生きると決めたから、そのつもりで言葉を扱いなさい。こんなふうに自動筆記するんじゃなくてね。シチュー作るから、まだ冬真っただ中。あったまっていってね。赤ワインより白ワインが好きなの。こんな文章いつまでも続かないことは知ってるつもり。
「最後までちゃんと校正したつもりでした」って言い訳をしたあの仕事は一体どう言い訳すれば正しかったの? そんなきみが嫌いで。もう顔も見たくないって言われて傷つかないわけはないよね。
コピーした力作の原稿をやぎに食べられた瞬間に、爆笑してしまったのは申し訳なかったです。中田英寿氏は今、何を? 最期に何を耳にしたい? フィッシュマンズの『DAY DREAM』を流して、きみと一緒に抱かれたい。中森明菜の『スローモーション』っていうのはおじさんらしい選曲。実際の話、わたしが死んだら音楽葬にして。爆音で長渕剛とTHE BOOMとイースタンユースかけて。ナンバーガールよりZAZEN BOYSが好き。新譜出るのをずーーっと待ってた。
向井秀徳さんらしい言葉使いに憧れる。所詮わたしはフォロワーでオリジネーターではないな。「地球よりやって参ました、なかがわよしのです」ってどこだよ。工夫が足りない。2つ以上を覚えられなくて、わたしの書く小説は登場人物が異様に少ない。
『ポーの一族』のような傑作の吸血鬼作品を書きたくて、いろいろ勉強したけれど越えられはしない。それでも挑戦はやめない。どんなに低能でどんなに才能に乏しくてもやるって決めたから、とっ散らかってでもやる。
あなたとレッスンします。〖あなた〗っていうのはきみのことだから、耳の穴かっぽじって聞きなよ。油断していると耳の穴から血を流す羽目に。でも、血を流した方がいいことは明白。痛みを味わった方がやさしくなれる。やさしくなんてなりたくなかったのに。
いじめられた記憶が、家畜として働かされた記憶が、自殺した記憶が、わたしを苦しめる。あの時、血は流してないから何にも値しない。
「坂口恭平って知ってる?」って言われて、知ったかぶりした自分にもびっくりした。なんか聞いたことはあったお名前で、思わず。もっと勉強しないと。
あの人の言うことは信用できるし、考えがわたしと似ているなって勝手に親近感。ただただ400字詰め原稿用紙を文字で埋め尽くすだけ。評価されたくない。唯一無二になんてならねえ。検討が必要です。
突っ走って書く書く、書きまくる。各自、血のパンを持参して、吸血鬼予防を。信じないなら食べなくていいよ。お前が先に死ぬだけ。血をたっぷり吸われてしわしわに。吸血鬼なんかになりたくないさ、不死なんて不振を知らない経営者と一緒だ。意味を理解するな、感じろ。ブルース・リーは生きている。わたしの中でと信じている、結局。
最期までこの迷文に付き合ってくれてありがとう。読まれるのを拒否したから、ここにたどり着かれたことを恨むしかない、敬服。
あははって子どもらの声が隣の部屋から聞こえるなあ。生きてるなあ、死にたくないなあ。そこで終わるってことは始まるってことだよ。自分を好きになんかならないで。こんなふうに意味不明のままでいて。生きることはなんて気楽なんだろう。食堂で親子丼680円。鼻唄歌って、くすぶってる。ハートがモニカ。

なかがわ よしの

生涯作家投身自殺希望。中の人はおじさん。早くおじいさんになりたい。

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