【021】難問

住人

こんにちは、フォルテッしもです。
最近バタバタしててなかなか時間が取れず、今日のおどりばも、今日書いています。新鮮ですね。

でも内容は昔のことにしようかなと思います。

数年前、とある県を訪れたときのことです。
夜ご飯を食べて、コンビニで翌朝のご飯を買って、宿に戻る途中。

物陰からスッと現れた、よくわからないおじさんに声をかけられました。
普段なら怪しい人は無視するのですが、その人はそういう人とは違った雰囲気があったので、意を決して話を聞くことに。

そのおじさんからは、銭湯を経営していたがコロナで倒産してしまってホームレスになったという話をされ、
何でもいいので食べ物を恵んでほしい、と言われました。

うーん。
いつもなら断って立ち去るところですが、今回は正直悩みました。

疑り深い私が悩んでしまうくらい、リアルだったんです。

なのでこちらからいくつか質問をしました。
「なんていう銭湯の名前なのか」「いつ倒産したのか」など…
もちろん親身になって聞いてあげているわけではなく、あくまで話半分ではあるのですが。

色々聞いた挙句、どうやら本当に困っていそうだなと判断した私は、何かをあげることにしました。

手に持っているコンビニのレジ袋には、明日の朝食が入っています。
これを渡すとまた買いに行かなければいけない。それはめんどくさい。

そう考えた私は、お金を渡すことにしました。
しかしあいにくキャッシュレス派なもので、小銭入れの中には10円玉か500円玉しかありません。

めちゃくちゃ悩みました。
お金や食べ物を今あげたところで、根本的な解決にはなりません。
そもそもこの人はただの乞食なのかもしれない。

ただ一つ、この人は恥を忍んで赤の他人に声をかけているという事実があるのみ。

そこで私は、もし本当に困っているとしたらめちゃくちゃ大変なことだけど、
例え乞食だとしても、そんなことをして生きているのは実質ホームレスだなと思いました。

なので私は500円玉を取り出し、その人にこう伝えて渡します。

「あなたが良い人なのかどうかは分かりません。でもいいです。このお金も、捨てるなり、好きなもの買うなり、パチンコに溶かすなり、好きに使ってださい。」

そして私はそそくさとその場を去り、宿に戻った。

戻ってからも、自分の行動が正しかったのかどうかめちゃくちゃ悩みました。
別に正解があるわけでもないのですが。

もしかしたらその500円で命を救ったかもしれない。
もしかしたらそれ以降、他人に声をかけなくなったかもしれない。
もしかしたらそれに味を占めて、もっと来るようになったかもしれない。

でもその結果は私の知ったことではない。
私は、その人に500円玉を渡すことによって、トータルで一番の最適解だと思ってそうしたのみ。

誰かこの難問の答えを教えてください。

フォルテッしも

1999年生まれ。うどんが好き。変えられるものを、変えていく。 思ったことを、思っただけしか書きません。

プロフィール

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