クリスマスは呼吸とともに。
住人
今年も12月25日がやってきた。
昨日のクリスマスイブは日曜日。
有馬記念が終わり、M-1が放送された。
私は昼がすぎたのに、未だベッドの上にいた。
やらなければならないことが溜まっているのにもかかわらず、パソコンを開くこともしない。
本も開かず、ただただYouTubeshortを縦にスクロールしていく。
時間が、蒸発していく。
用を足しに部屋を出ると、足元の廊下に窓拭きの液剤と、古びたタオルが2枚。
そういえば、自室のガラス戸の窓拭きをせよ、と言われていたのを思い出す。
昨日家族と喧嘩をしたばかりというのもあって、ささやかな反抗心は芽生えたが、それでもまぁやるかと最後に見たYouTuberの映像を残像に起き上がる。
玄関からスリッポンを持ってきた。
ガラス扉鍵をカラカラカラとあけてベランダへ出る。
日も陰って来てるのに、そんなに寒くなかった。
風もぬるかった。
とりあえず窓にシュッシュ。
♾を描きながら、次は四角に吹いていく。
パキッと、左脚の人工関節が鳴った。
普段屈伸運動なんてやんないから驚かせたかもしれない。
扉は全部で4枚。両側を拭く。
何も考えず、タオルを何回か裏返して、液剤の泡をぬぐって、ふいていく。
最後にベランダの手すりをタオルでざっと撫でる。
少し暑かった。
カラカラカラと閉じる。
ストーブの温度を2度下げ、フリースを脱ぎ捨てた。
ベッドに倒れ込む。
仰向けになる。
胸に、含んだ空気に少し、液剤の匂いが混ざっていた。
少し目を閉じて、2、3回胸を膨らませる。
起きて、ストーブを消した。
ダウンを羽織って、車へと向かう。
3人分のクリスマススープの材料を買いに。
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