2050年について考える

住人

2025年を迎えた。2000年の頃のわたしは死なないことで精一杯だった。今は余裕を持って暮らせている。「死にたい」という気持ちは消えたのか。2050年までわたしは生きているのか。それなりに遠い未来、でも想像の手が届く2050年について、今、考えてみたい。

✴宇宙

宇宙旅行は可能になっているんだろう。でも行きたいとは到底思えない。単純に興味がない。SFの映画を観て憧れるくらいのが、わたしにはちょうどいい。まあ怖いというのはあるな、正直に言えば。ブラックホールに吸い込まれるとか宇宙に放り出されたりとか想像するだけで恐ろしい。でも宇宙船に乗って突然爆発して死ねたらいいかも(不謹慎)。その時、恐怖している時間はあるのか。宇宙は究極の死と隣り合わせの世界だと思うわけで。火星に移住が出来たとして命がけで行くほど価値はあるのだろうか。古代の人が死ぬ気で海を渡ったのと同じということ?地球に住めなくなるからそうせざるを得ないのだとしたら、そんなバカげた話はない。皮肉。

♁地球

誰もが不安に思っているのは、「地球、大丈夫?」ってことだろう。温暖化は止められない。『2050年』で検索すると世界の人口が壊滅的に増加するという事柄などがヒットする。そんななかでカーボンニュートラルとかムーンショットとかという言葉もあり、それは希望になり得るのか?あまり期待は持てない。急加速する温暖化よりも前に『戦争』によって我々人類は滅亡へまっしぐらなのではと考えてしまう。わたし個人の感覚だけれど、日本も戦争に巻き込まれるのではという不安に強く駆られる。それも自分本位の考えだ。わたしや家族さえ戦争に巻き込まれなければいいと思う。どこかの遠い国の出来事なら、かわいそうだと憂えていればいいだけ。善人ぶって実はそれは戦争に加担しているということだ。このままだと本当に戦争によって2050年まで人類は生存していられないかもしれない。だとして、わたしには何ができるか?

⌚時間

もしかしたら滅亡する人類の鍵を握るのは、『時間』ではないか。タイムスリップしてやり直す、新しく始める。それこそバカバカしい話なのか。だが、わたしは本気で考える。時空を超えることは人類にとって必要な行為なのではと。人類の半数以上が同時にタイムスリップして、数の力で声高に「NO温暖化!」を叫ばなければならない。でも、もしかしたらタイムスリップしたことだけで、何もかもリセットされた気分になってしまって、同じ過ちを繰り返すなんてこともあり得るのが人間。自分さえ良ければっていう人類の本質がここで見え隠れ。温暖化だけではない、時空戦争だって起きかねない。結局、人類の行く先は無数に見えて、ただひとつだ。

♂わたし

2050年、わたしは75歳。本音を言えば逝っていたい。もう人間をやるのは苦悶なのですよ。60歳前後で死ねば、惜しまれて死ねるのではないか。長生きすればするほど迷惑なんじゃないか。未見だが『PLAN75』という映画がある。75歳になったら死を選べる世界を描いた物語。それが現実化するのならば、迷わず、わたしは死を選択する。生きるのに疲れた、これ以上の迷惑をかけたくない、そして単純に死に憧れている。それは自分勝手だというものだ。惚気るわけではないが、妻はわたしを愛してくれている。娘はわたしを慕ってくれている。(猫たちだってわたしを好きでいるのだよって、それは猫のみが知ることか。)彼女らのことを考えると「生きンの嫌だなあ」と思いつつも、人生を生き抜いて、彼女らが納得するほどに全うして死ななければ許されない。そうだとしたら全力で戦争から彼女らを守らなくては。それこそ家族全員で時空を超える旅をして安全な時代で余生を過ごすのも視野に入れなくては。火星への移住もまじめに考えなくては。なんて自分本位。なんてわがまま。しかし、これがわたしにとっての正義。共感してもらえると思うよ。正義と正義がぶつかるから戦争が起こる。

そんなわけで2050年への道は険しくもたどり着けない距離ではない。戦争さえなくなればだ。戦争は平穏に暮らすことよりも安易なのかも知れない。それでも絶対にひとりも人を殺してはいけない。その家族を泣かせてはいけない。わたしができることは何なのか。家族が仲良くあることと、わたしたち以外の家族を尊重すること。我々はそれをなし得なければならない。そんなこと、わかってたでしょう?それができなければ呆気なく2050年は失われる。みんなが笑顔で2050年を迎えられるように愛を持てたら希望は少しある。きれいごと言うなよって、それもきれいごと。お前もお前だ。愛を持たなければ、わたしたちはどの時代に逃れようが消え果ててしまう。

なかがわ よしの

生涯作家投身自殺希望。中の人はおじさん。早くおじいさんになりたい。

プロフィール

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