p.7:2019 /epilogue
おどりばでちくちくと言葉を編み始めて、
半年が経った。
年の瀬にはいつも
1年はあっという間だなあと思うのだけれど
今年はいつにもまして
あっという間だったような気がする。
歳を重ねると時間感覚は早くなっていくらしいから、当たり前か。
師走だし、ちょうどいい。
年末と呼ぶには少し早いけれど
この機会に2019年を振り返ってみようと思う。
1月
留年が決まっている年明けと
卒論を提出した年明けでは
清々しさが段違いだった。
卒論から解放されて、すこし気が抜けた。
noteにはこう書いていた。
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たくさんの人に助けてもらって、みんなのことが大好きで、ついうっかり自分のことも好きになってきちゃった2018年。
だからこそ、2019年が怖いのだ。卒業見込み。でも無職。実家に戻らなければならない。卒業したらどうなるのかな。
できることならもう、自分のことを嫌いになりたくないし、やりたいこともちゃんと見つけたいし、自生したいし、とにかく、楽しく生きていたい。
だからわたしは、2018年のわたしに宣戦布告する。2019年は、もっと幸せになる。2018年のわたしが、これより幸せになれちゃうの!?!?って希望に満ち溢れて前に進めるように。
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つらかったけどさまざまな人に救われた2018年。モラトリアムを通して、なんだかんだで楽しめた2018年。
新しく始まる2019年はどうだろう。
大学を卒業したあとはどうなるのだろう。
先行き不安な新年の幕開け。
2月
卒論の発表会があった。
自分の書いた論文を同じ専攻の学生や教授、市民の方へ向けて発表する。
前日に、ちょっとした反抗のつもりで髪の毛の先っぽを緑色に染めた。
大学の勉強に全くついていけていなかった私が唯一教授に評価されていたのはプレゼンのスキルくらいで、
たしかに落ちこぼれだったけどやれることはあるって
「ちょっとかっこいい感じで卒業してやろう」と意気込んでいた。大学生活をうまいこと終わらせてやりたかった。
無事、プレゼン賞をいただいた。
大学生たるもの、勉強ができていなければお話にならないので胸張れたもんじゃないけれど
落ちこぼれでも頑張ればできることはあるって証明できた気がする。
3月
大学を卒業した。
5年間の大学生活、めちゃくちゃだった。
楽しいことよりつらいことの方が多かったような気がする。
だけど残るのは、一緒にいてくれた人への感謝ばかりだな。
それぞれのコミュニティに、
「とくべつな人」が何人もいた。
新入生ゼミのメンバー
サークルのひとたち
バイト先で出会ったひとたち
ウェブメディアのひとたち
おなじ専攻のひとたち
付き合って別れた人もいた
高校生のころまでのそれとは全然違って
もっともっとこじれた。
ごめんねって思う人もいるし
ちょっと恨んでいる人もいる
でも全部のひととの関わり含めて
いまの私があるから
やっぱり感謝している。
つらい大学生活だった。
劣等感がたくさん膨らんだ。
だけど、愛しい時間だった。
4月
どこにも入学しないし
どこにも入社しない
締まりのない春
何となく人の流れが変わるこの季節は
あまり得意じゃないので元気がでなかった。
恋愛関係のことでとても悲しいことがあって
伸ばしていた髪を切った。
このときおどりばが始まっていたら、
絶対おどりばに書いていたと思う。
5月
就職活動が本格的に進んで、長野と東京の往復。
エントリーシートはコメダか喫茶店で書いた。
おどりばで書くことに決めたのはこの頃だったかな。
月末にふたつの会社から内定をいただいて、
自分の実態と会社からの評価とのギャップで
悩んでしまった。
6月
おどりばで書き始めて、
自分が思っていたよりも反響があって
うれしかった。
書きながら泣いて、
人からもらったメッセージを読んで、また泣いた。
1ヶ月くらい悩んで、
東京に行くことを決めた。
7月
梅雨が長引いていて、なかなか元気が出なかった。
降りしきる雨に対抗するように、
私はHIPHOPと出会った。
それ以来毎週、ラップバトルの番組を見ている。
自分と戦いながら目の前の相手を倒していく。
私の「目の前の相手」は、
「立ちはだかる問題の数々」かもしれない。
それも全部、
これが私のスタイルだって、
私にしかできないやり方だって、
ぶっ倒せるように
そういう風に生きていきたいと思えた。
夏が来た。遅刻だよ。
8月
髪をばっさり切った。
7年ぶりくらいのショートヘア。
自分で言うのもなんだけど
イメチェン大成功だったと思う。
バイトの掛け持ちを始めて、少し慣れてきた。
慣れるまではつらくて、自分の無能さに絶望して何度か泣いていた。
9月
大学時代お世話になっていた短期バイトをするために、松本に滞在した。
一年に一度、たった10日間ほどなのに
そこにはいつも私の居場所があった。
今度こそ今年が最後かもしれない。
最終日は本当に寂しかった。
来年は、お金握りしめてお客さんとして遊びに行けたらいいな。
松本に滞在している間は、
隣県に住む友達に遊びに来てもらったり
大学時代の同期や後輩と会ったりもした。
私は私の好きな人たちのために時間を割きたいと改めて思った。
そうじゃない人に消耗していく自分は、好きじゃない。
だから私は、バイトをひとつやめた。
後悔はしていない。
10月
内定式。電車とホームの隙間に転落。打撲。
東京に拒絶された気がした。
長野に残ろうと思った。
でも何がしたいのか分からなかった。
答えがどこにもない。
台風が来て、長野も大きな被害を受けて、
ネガティブなニュースが流れ続けて、
そこらじゅうの人たちがネガティブになっていて、
人の悪意が飛び交っていて、
私の未来のことは何も決まらなくて、
もうだめだ、崩れる音がした。
ツイッターを見るのをやめた。
悲しい話や人の悪意を受信する余裕が
この頃の私にはなかった。
11月
大学の文化祭があって、
キラキラしている後輩を見て、
久しぶり(というほどでもないくらい頻繁に遊びに行っている)に会えて嬉しいのと同時に
自分がますます影のように思えて少しつらくなった。
結局自分の進路のことはまったく決められなくて
思考は堂々巡りで、
10月に元気がなかったのは天候のせいだなんて
嘘じゃん。と最初は思っていた。
だけど半ばに差し掛かったあたりで、
身動き取れずにいる自分は好きじゃないって気付いた。
すごい人になるなんて夢のまた夢かもしれないから
小さい「すごい」を積み重ねて
いつか誰かを、自分を、幸せにできる人になりたいと思う。
12月
…
あと1ヶ月もしないうちに、2019年が終わる。
悪くない1年だったな、と思う。
勢いで駆け抜けた2018年よりも
1度立ち止まって考えることが多かった2019年。
学生の身分を失い「フリーター」になってみて
大卒なのにもったいない、だとか
なんで就職しないの?だとか
聞かれたことは何度かある。
私の同期の多くは、もう会社に勤めている。
社会に馴染んでいるように見える。
それはすごいことだと思うし、彼らを見て焦りを感じないと言えば嘘になる。
できるならそうしていたよ。
でもできなかった。
だから私は私の土俵で戦った。
2019年は、そういう1年だった。
2018年の私へ。
2019年は自分の土俵で戦い始めたよ。
戦績はそれなりでした。
すこしずつ強くなっている気がします。
だから大丈夫、迷わず進んでおいで。
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私が書き始めた「すごい人になるまでの物語」は、7ページ目を迎えた。
やっぱり結末は誰も知らない。
終わりが来るのかすら分からない。
だけどどうか、ついてきてほしい。
私はまだまだ、書き続けるよ。
ここまで見届けてくれてありがとう。
皆さん、良いお年を。
それではまた、来年。
よかった!
うめこちゃんのおどりば、まだまだ読めるのね!
1月からのうめこちゃんの流れを知ることができて、あ~なんか12月、やってきちゃったんだなあって実感したよ(笑)
2020年は、もっともーっと、充実した年になりそうだね!年々成長していってるうめこちゃん。
まずは、良いお年を!
また会えますように!