帰ろう。
先日、100歳まで生きた曽祖母がこの世を旅立った。
大正時代から昭和、平成、令和、とほぼ1世紀生きたひいおばあちゃん。
本当にたくましい人だった。
畑仕事をしている姿を今でもよく思い出す。
美味しい野菜を毎年沢山届けてくれた。
曽祖母の家からは湖が一望できて、その上に浮かぶ花火は、子供ながらに毎年楽しみで見に行っていた。まさにジブリに出てきそうな雰囲気のある場所なので、小学生くらいまで、まっくろくろすけかトトロが出ると本気で思っていた。
近くに森も湖もあって、ナウマン象の化石の発掘地がすぐそばにあり、町を探検するのが、小さい頃の私には大冒険だった。
私と料理の記事の中にも、少し書いた、「幼少期に、自然に触れ合う、自然に近い暮らし…」という体験ができたのは曽祖母があの家で暮らしていてくれたからだと思う。
畑を一緒に手伝っても、バテるのはいつも私が先で、おばあちゃんはずーっと畑で作業をしていた。何年も変わらず同じ場所で、土をいじって、畑を耕していた。
何十年も、同じ場所で、同じ暮らしを積み重ねてきた姿を想像すると、本当に頭が上がらない。
足を悪くしてからは、老人ホームで、のんびり過ごしていたと聞いている。
最後は、穏やかで、顔色も良く、100年の人生を全うした姿そのものだった。
最近、「生きること」「死ぬこと」について特に考える機会が増えた。
私はまだ20年と少ししか生きていないけれど、生死をさまよった経験があるので、死生観について向き合ってきた方だと思う。このことについて考えていると様々な感情が湧いてくる。飲み込まれそうにさえなる。
そんな時、藤井風さんの「帰ろう」という曲と出会った。
この曲は、重くなりがちな気持ちをふっと柔らかくしてくれるような、優しい曲。
心が温かくなる。
どうしようもなく辛い夜はこの曲を聴く。
なんとなくハッピーな日も…
明日が来るのが心配な日も…
この曲の最後は、
「あぁ今日からどう生きてこう」
で終わる。
いつか、帰るその日に向けて…
「どう生きていこう。」
そう自問自答ながら、今日も生きて行く。
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