あなたは、世界のきっかけ。

住人

バンドなんてのは、まさに、それぞれの人がそれぞれの役割を与えられ、果たしているものの体現活動だと思う。一つの目標…完成形に対して、共に歩みを進めていく…かつ、それぞれの個性を生かして、全体を作っていく。とても繊細で難しいような作業でもある。

バンドだけでなく、仕事でも、家庭でも、それぞれの場所において、その人にしか出来ないことがある。あなたにしか、できない役割がある。きっと。いや、絶対に。

この世界は確かに、生まれた瞬間から、終わりに向かわざるを得ない物語であるといえるだろう。そこに、明確な意図を持たせるのは、あなた自身。でも、「こうなりたい」「これになりたい」と明確な目標がなければ、生きていてはいけないだなんてことは、決してない。

大切なのは、命に決まってる。死ぬことがわかっているから、命が大切なんだ。アレンは死ぬことに怖がっているんじゃない。生きることに怖がっているんだ。

映画「ゲド戦記」より、テルーのセリフ抜粋

そして、命は、あなただけのためのものでもなかったりする。繋がりがないと思っている中でも、実は誰かに想われていることだってある。誰かに、心の支えにされていることだってある。それは、確かに口に出さなければ伝わらないことばだらけだけれど、全てのことばを、想いを、表に出す必要がないことだってある。

僕の心の底だけに、そっととどめておきたいことばだって、ある。あなたも、きっと、そうでしょう?

生きることを怖がることを、まずやめてみよう。死ぬことは怖いことじゃないなら、生きるを怖がることをやめる。そうすると、わかるよ、きっと。生きるは、「怖い」ことばかりではないということ。

待つだけの人生だって、あなたが望むのならば、いいと思うよ。希望は、人の運命を新たに築く最強のツールだと思う。ただ、待っているときにやきもきして、きっとあなたは動き出すだろう。それこそがもはや、あなたを待つ人生から連れ出す最大の武器になったりする。一つの決意は、一つの頑固さは、実は周り巡って、突破口を作るきっかけになったりもする。「短気は損気。急がば回れ。」司馬遼太郎の『坂の上の雲』で、秋山真之の父が言っているんだよ。肝心の勝ち、は、そのときまでとっておけばいい!とも。…あなたにとっての、大事な戦は、いつ、どこで起きるのか、僕にはわからないけれど、きっとそのときは、ここぞってときだと思うから。

…そうやって、自分の人生が動いていくと、必然的に、周りに関わる人の人生が、時間が、瞬間が、煌めいて動いて、大きく変化し始めるんだよ。そう、自分の人生を生きる、ということは、

あなたが、誰かの世界のきっかけになるんだ、ということ。

自分の人生を歩んでいくことが、他人の人生に希望をもたらすだなんて、一石二鳥じゃないか。それだけだって、承認欲求は少し、落ち着いたりするもんだよ。あなたにしかできない役割は、自明にわかる事ばかりでもないと思う。でも、自分の人生を歩むということが、他でもない、そういうことなんだとも思う。気づいたときに、人が幸せになっている。そんなことだって、あってもいいんじゃないかと思う。

あなたが何か物を買うときに、経済を回すきっかけになっている。あなたが仕事でなにかを任されるとき、あなたは会社を、ライフラインを、よりよい社会を、作るひとつの役割を果たしている。あなたが誰かに相談を受けるとき、あなたは誰かの世界の架け橋になっている。

あなたがなにかを売るときに、経済を回すきっかけになっている。あなたが仕事で何かを任すとき、あなたは会社を、ライフラインを、よりよい社会を作る原動力になっている。あなたが誰かに相談するとき、あなたを通して自分を知るきっかけを、誰かに与えている鏡のようになっている。

繋がっていないようで、たくさんの繋がりを持ち、たくさんのきっかけをあなたは、与え、与えられ続けているの。だから…お願いです。

あなたに、この世界に、いてほしい。

その限りが、遠い未来、訪れるまで…そのときまで。

終わりではない、始まりを恐れることなく。

明日を夢見て、僕ら、歩いて行こう?

僕が僕の世界のきっかけであるように、僕は誰かの世界のきっかけなのだから。あなたは、誰かの世界のきっかけであると同じで、あなたはあなたの世界をつくるきっかけなのだから。

ときに休んだっていいよ。

ときに動かなくたっていいよ。

どんなときでも、世界のきっかけ。

あなたは、世界のきっかけ。

10号室 t tatsuより

t tatsu

山梨在住。あっちいったりこっちいったり、浮き沈みの激しい人生。音楽、本、映画やことばを好みます。多趣味多忙が代名詞。 …「あたりまえ」のことは、そうでもない...

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