みんなは”かわいい”って言えるのかな?

住人

この年末年始はこのコロナの影響もあって長々と実家に帰った。

実家には姉夫婦が一緒に住んでいるので、甥っ子、姪っ子と毎日のように過ごした。
そんな日々の中でふっと「あれ?自分ってなんか変わったな」と思った瞬間があった。


甥っ子、姪っ子の遊ぶ姿、駄々をこねる姿、寝ている姿、そんな姿に対して




「かわいい」






とふっと言葉に出していた。


思い返すと最近「かわいい」という言葉をよく使っているなと思った。






動物園でミーアキャットやハムスターを見たり、触ったりしたとき。

お店で隣の席のお母さんが抱っこする赤ちゃんがこっちを向いていたとき。

散歩中の犬を見たとき。

低学年くらいの小学生たちが帰り道に雪合戦をしているのを見たとき。

テレビで女優さんがそれこそ「かわいい」しぐさをしたとき。





他の多くの人がどうかはわからない。
けど、少なくともぼくは小中高大と何かに対して「かわいい」と言ったことがあまりなかったように思う。ましてや思わず「かわいい」という言葉がこぼれるようなことはなかった気がする。




「アイドルのあの人、かわいいよね」

「この服かわいいよね」



偏見なのかもしれないが、「かわいい」という言葉を聞くと、ぼくは上の二つの場面を主に思い浮かべる。

他の人の顔やしぐさに対しての「かわいい」
服やアクセサリーなどのものに対しての「かわいい」

ぼくにはどちらも縁がない。
だからだろうか。「かわいい」を軽々しくいう人にいいイメージを持っていなかった。
なんならアイドルにしろ、女優さんにしろ「かわいい」と言うということは、その人を下に見ているのではないか、という考えさえあった。
なので必然として自分が「かわいい」という言葉を使う機会はあまりなかった。


でも、それがだ。最近はおかしい。ふっとしたときに「かわいい」が出てしまう。


もしかしたら、「かわいい」という言葉に付随する偏見的なイメージがなくなってきた、ということかもしれない。

以前のあかっぱ的思考に照らして考えれば、ほかの人(甥っ子、姪っ子、小学生、女優さん)を下に見るようになったのかもしれない。



いいか、悪いかはわからないが、とにかく自分はなんかわからないけど、昔の自分とは「変わった」らしい。






ふっと「かわいい」という言葉について考えてみる。

漢字にすると

「可愛い」

よく考えると、なんでこの漢字なのだろうか?


「綺麗」

なら、なんとなくわかる。キラキラしていて、麗しい。そんなイメージ。

でも、「可愛い」

「愛する」ことが「できる」?
「愛おしい」と思うことが「できる」?



「可愛い」「由来」でネットで検索したらこんなことが書いてあった。


かわいいは、もとは「不憫だ」「気の毒だ」といった意味を表す語で、その意味を受け継いでいる言葉は「かわいそう」がある。
(中略)
「かわいい(かはゆし)」が「気の毒だ」から正反対の「愛らしい」の意味に転じたのは中世後半から出、その理由については明らかになっていないが、小さいものや弱いものに対して手を差し伸べたくなる感情と、気の毒で見ていられないという感情は近いものがあり、「気の毒だから助けてあげたい」→「愛らしい」というように意味が転じたものと思われる。
なお、漢字の「可愛い」は当て字である。

        語学由来辞典(http://gogen-allguide.com/ka/kawaii.html)


「かわいそう」に当たる、相手を「憐れむ」ような言葉が由来らしい。その意味では過去の自分の考えが近かったのかもしれない。

でも、「気の毒だから助けてあげたい」という気持ちは、たとえ「かわいそう」という気持ちがあったとしてもその人のために「何かしたい」という思いがあったということ。

つまり、「かわいそう」は自分でそう思っているだけで、ある意味「自分」という枠の中でとどまっている。それが「かわいい」になると「他者」に視点が移ってる???


そう考えたとき、

「かわいい」を使わなかった過去の自分は、ある意味「自分のこと」しか考えられていなかった
それが「かわいい」を使うようになったのは、それだけ他者への興味が湧いてきた証拠なのではないか、


などと勝手ながら解釈してみる。

いいのか悪いのかわからない「変わった」自分とこれからも付き合っていきたいな、と思った2021年のスタートです。

あかっぱ

よく中学生に間違われます。「見た目はこども、中身もこども」な25歳です。

プロフィール

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  1. ゆうりゆうり

    可愛い、はわたしは職業柄、というより性格的に他人に対してばんばん言ってしまいますね。
    わたしの好きな言葉に、「愛す可き(べき)、と書いて、可愛いなんですよ」という台詞があります。
    可哀想、だからではなく、愛おしい、と思うからこそ「可愛い」と人は言うと、信じています。
    「可哀想」という言葉は同情でしかないので、あまりわたしは使わないようにしています。
    語源を調べるのも、大事ですね。
    そういえば祖父に対して「おじいちゃんかわいい」と言ったら祖母に叱られたことがあります。語源を見て気付きました。あかっぱさんのおかげです。
    あかっぱさんは、ご自分の変化に気付いていらして、ステキですね。

    • あかっぱ

      ゆうりさん、コメントありがとうございます!

      「愛す可き(べき)、と書いて、可愛い」、いい言葉ですね
      そうやって信念をもって言葉を使えるように、ぼくもなりたいなと最近思います

      おじいちゃんの件、そういうこともあるんですね
      今は語源から離れて、それだけで別の意味もある言葉も多いので一概には言えないですが、でも頭の片隅に入れておくことってもしかしたら大切かもですね(*´ω`*)

  2. あかっぱ

    ゆうりさん、コメントありがとうございます!

    「愛す可き(べき)、と書いて、可愛い」、いい言葉ですね
    そうやって信念をもって言葉を使えるように、ぼくもなりたいなと最近思います

    おじいちゃんの件、そういうこともあるんですね
    今は語源から離れて、それだけで別の意味もある言葉も多いので一概には言えないですが、でも頭の片隅に入れておくことってもしかしたら大切かもですね(*´ω`*)