病の原因と予防

住人

その人は言った

「自然とお酒の量が減ったんだよ」

「別に誰に言われた訳でもないんだけど。不思議と自然に。」

「友達の中では俺=ビールってイメージだったんだけど。なんか必要なくなって」

「あと、姿勢が良くなった!」

へぇ、そうかと。一般的にもいい事だよなぁ。
その人は、自分の中に他にも明らかな変化があったと話してくれた。
この時はなんとなくで、体験を聞いて自分もニマニマしてきただけだった。
全ては自分の一言がきっかけで、生活の変化を嬉しそうに語る姿が嬉しかった。

長野市から大町市へ向かう車の中。

本来なら1時間半以上かかる道のり。
春らしい景色と山々を見ながら、こういう道中も今は当たり前ではなくなった「旅」ができているようで、なんだか有り難いと思いながらその話を聞いていた。

「あ、まただ、もう着いちゃった」

1時間ぴったり。到着。大町駅近く。
途中でワープでもしたのかと。笑

「さぁ、せっかくなので入っちゃいますか。」

すっきりと整えられた日本庭園のような小さなお庭と広い駐車場に囲まれた敷地へ入っていく。
ガラガラガラ、と扉を開けると、来客のチャイムが(ピンポーンピンポーン)と鳴る。
下駄箱に靴を脱いで消毒を済ませると、
若々しく芯に低音が響くお声の30代のご住職と清楚な奥様が清々しいご挨拶で迎えてくれた。
「おはようございます。どうぞ。」
開始の30分前、自分たちが一番乗りだ。

今日は月1回のご法話の日。全国同じテーマを元にお話が聞ける。対策を講じた上で午前と午後に分けて少人数。

今回は「病によりて道心はおこり候か」
病気になった時、人は自分の人生と真剣に向き合い、仏道を求める心が現れ、逆に救われる事がある。

(このお話自体をレポートのように解説すると止め処なくあるのですが、
あまりに深くて自分が代弁するにはあまりにも浅はかなので、
ここでは自分の心の変化を中心に書き留めさせていただきます。)

この中で、そもそもの「病の原因」を中心にお話なされていました。
実際はパワポを使って話されていたのですが、自分の手元のメモから覚書。

1 四大不順

地水火風が乱れること。人間の身体で言えば、
骨肉・血液・体温・呼吸。逆に死はこれらが失われること。

三寒四温で体温が乱れたり、乾燥したり、血の巡りが悪くなったりすると病になるのは周知の事実ですよね。
とはいえ改めて言葉にするのも大事。医者や薬学の世界では、明文化しているでしょう。
おそらく薬膳や漢方でも。似たような考えを元に処方しているはず。

2 飲食節せざる故

食生活の乱れ。暴飲暴食。これも今では常識の範囲。

3 座禅調わざる故

座禅と聞くと、禅の修行を浮かべるかもしれませんが、そのそもの姿勢の事を言うそうです。
悪い姿勢・不規則な生活。内臓を圧迫して呼吸器がやられたり、肩こりや鬱の原因とも言われる。

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・・・ん?ここまで聞いて、ハッと気づく。あれ?これ朝に道中で話してた事じゃないか?特に2と3。
当たり前のことだけど、冒頭の「その人」は、誰に言われた訳でもなく、この話を聞く前に、
お寺に通い始めてご住職のご指導のまま、お題目を毎日始めたら、勝手にそうしたくなったと言うのだ。

勝手に病気の予防まで始めちゃった?確かに、健康な身体に変わるのも功徳の一つ。その原因を作るのも自分。

二人で顔を見合わせて笑った。

帰りの車の中で、「俺、どこかで見られてるのかな?笑)タイミングよすぎて笑っちゃう。」
その人は、前回記事で出てきた事業家さんだ。出会いは昨年末。そこから仕事の度に大町のここへ通い始めた。

この春に出世してめちゃ忙しくなったらしいが、今月もこのご法話は聞きたいと、この午前中だけ時間を工面してきたそうだ。
そこで、自分も毎回勉強になるし得るものしかないので便乗した形。
素直で真っ直ぐな人ほどその結果も出やすいとは聞いた事があるが、この方と居ると本当に自分まで一緒に不思議な体験をさせてもらえる。2回連続でその人が求めてた話が聞けるとは、またもやその人は行きよりもスッキリした顔で意気揚々と岐路につく。今度は奥さんも連れてきたいと話している。

こんな話を自分の周囲に話していると、一緒に行きたいと言う人がまた一人二人と増え始めた。
それも自分で事業を起こしている方が多い。生きる為の智慧だからかな。
ひとりの力は小さくても、こうやって周りの人が心の底から明るくなっていけば最強だなと思う。

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せっかくなので、原因の続きと自分の考察を。

4 鬼 便りを得る

昨年から漫画やアニメでも鬼の話が流行っていますが、昔から鬼はよく言われる表現。

夜叉/羅刹/阿修羅 など、取りつきやすい人は邪念を持っている人だそうな。
昔から、突然嘔吐したり、突然死したりする人は「鬼にやられた」と言われていた。

現代的に言えば、鬼はウイルス。肉眼では見えないが確実に存在する。
ウイルスにも好物があり、現在は歓楽街を好むウイルスが問題になっている世の中。

この話は深く議論すると色々と出てきそうですね。
悪鬼魔神の住処となっている神社仏閣が至る所にありますし・・・

この4までは、なんとか医者に行けば治る範囲。鬼もウイルスならば、医療で解決できる事もある。
しかし昨年からの鬼はなかなかまだ解決の道が開かれていないようですが。
映画にまでなったあの鬼の話が流行った事も、なんらかの因果かと思ってしまうなぁ。
これは自分の勝手な思いですが。全て繋がってるからさぁ。これは作品を見た人しか分からない話ですが、
やっぱり鬼と闘っているのかも。そして家族の大切さを意識するステイホームなんかも。

5 魔の所為

魔の十軍:仏道修行を妨げ、人が滅ぶのを喜ぶ

この魔と闘うのはなかなか大変で、心がやられちゃうので、「善知識」として成仏の為の道を一緒に歩んでくれる誰かが不可欠と言うわけです。一人じゃぁなかなか負けちゃう。
病は気から、なんて言いますが、いわゆるストレスの原因になることが並んでいます。

1欲(よく) 2憂愁(うしゅう)  3飢渇(けかち) 4渇愛(かつあい):五欲への執着 5睡眠(ずいみん):仕事や勉強を妨げる程の眠気
6恐畏(こい) 7疑悔(ぎけ) 8瞋恚(しんに):怒り 9利養虚称(りようこしょう):名利にとらわれること 10自高蔑人(じこうべつにん)

ちなみに7は過去の失敗をくよくよ悩むこと。トラウマにとらわれることですね。これは重大な病だ。簡単じゃないけど、これも魔の所為。10は、自分が凄いと思って人を見下すこと。これも病む人ってことですね。確かに、どう考えても行きすぎるとウザい人でしかないですよね。。。まじで一個一個語ってるとキリがないお話。

6 業の起こるが故= Memory of Action

業とは、英語でMemory of Action。つまりは自分が行ってきたことの記録、ログです。
いつもこの手のお話は、英語になる方が意訳されて直感的に分かりやすいなと思ってます。

身口意の三業(しんくいのさんごう)。その身、その口、その意(こころ)で積んできたもの。
過去世の悪業→難病にかかる→医者で治らぬは業

末法に生きる我々はお題目によって治す。特に日蓮大聖人の教えは自分だけ良ければ善いのではなくて、自行と化他行がセットになっていて、自分以外の家族や有縁の人々をも導く。それらを願う2つのお題目が合わさってはじめて、善業を積み、自分の宿業を打開できるとされている。

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よく医者に行っても治らないとか医者が合わないとか、薬が合わないとか、人のせいにしがちですが、良い医者に合うかどうかも自分持ち。今の結果も過去の自分が作ったもの。結局は自分なんですよね。

本当に厳しいけれど、それが現実。甘くはないですよね。
だけど冒頭に話したみたいに、未来を変えるのもまた自分。
今を変えれば未来は変わる。

食も薬も何が正解かなんて後になって見なければわからないけれど、
今回の病の原因となることを意識して変えてくだけでも大分違うと思う。

今は特に、不摂生している場合じゃないし。
周りにも今まで以上に多大な心配をかける世の中になったから。

・・・と、どうやって話を締めくくろうか考えていたら、思い出した。
学生時代、毎日のようにブログを書いていた時期があった、そうしたら、毎日読んでくれてる友人が言った
「面白く読んでるけど、自分の中で落とし所を見つけて終わるから、その文の中で解決しちゃってて、逆にコメントすることがないよ。隙がない」と。

エェー。なんかその方がいいのかと思ってたのに。笑

案外、結論まで書かなくてもいいのかもと。

こもれび -komorebi-

こもれび

『こもれび』 木陰でそっと休む。 見上げれば、キラキラした光。 吸い込めば、青々とした緑。 耳をすませば水の音。 そんなひとときを過ごせるように。 自分のた...

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