【020】ナッジ(Nudge)

住人

「ナッジ」

この言葉を聴いたことがある人はどれくらいいるだろうか。

最近テレビを見ていた時にこの言葉を見つけ、私は釘付けになってしまった。

ナッジは「そっと押す」の意味を持つ英語のこと。
行動経済学とかで用いられている言葉で、ざっくり言うと「人が自発的に良い行動をしたくなるように、さりげなく後押しする設計」のことらしい。

たしかに、自分とは違う誰かをコントロールすることはとても難しい。
人それぞれ、自分の持っている常識や、新たに手に入れた情報を頼りにして行動しているからだ。

だが、例えば何か命令して強制したり、ご褒美や罰(インセンティブ)を与えたりすることによって、その効果の程度は違えどコントロールできる可能性が高まる。

しかしそれでは、行動「させられている」がために、効果が一時的であったり、反感を買ったりしてしまう。

そこで、もっと人の行動心理に迫ってみる。
(特に最近の)多くの人は、巷で流行っているとか、雰囲気が良いとか、みんながしているからとかいう理由で行動する人が増えている。

そうした人に向けて、「なんとなくそうしたくなる」ようなアプローチをするのが「ナッジ」だ。

前置きが長くなった。
街中でナッジを意識して行動すると、本当に至るところにちりばめられていることに気づいた。

有名なところで言うと、例えばスタバとか、お店で列に並ぶ際の足跡マーク。
そこにある通りの間隔で並ばなければいけないと感じて、なんとなくそうしてしまう。

あとはよく、なんかの会員登録とか、キャンペーンに応募しようとしたとき、勝手に「メルマガ配信希望」にチェックが入っているのとか。
私はやめてほしいのでチェックを外すが、確かに意識しないとそのまま進んでしまいそうだ。

あとはトイレとかにある「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」という張り紙とか。
「汚さないでください」と書かれるよりも、効果が高そうだ。

ラーメン屋の食券機で、一番左上の大きいボタンには「特製」「味玉」みたいなラーメンがあって、普通のラーメンは目立たないところにあるとか。
特に初めて食べる人などは、なんとなくオススメそうなものを頼みやすいということだろうか。

ほんの少し考えただけでも、本当にたくさんあるなぁと驚いた。
知らず知らずのうちに、自分は操られていたのかもしれないなと思う。

確かに、ナッジに限らず、世の中は様々な人の様々な思惑があって成り立っている。
ここまで研究されつくされた世の中なら、もしかすると10年後くらいの未来はもう分かっているのかもしれない。

私は私の行動で、どこかの誰かを動かしているのだろうか。

フォルテッしも

1999年生まれ。うどんが好き。変えられるものを、変えていく。 思ったことを、思っただけしか書きません。

プロフィール

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