砂場の底に潜むモノ
初めての投稿。ドキドキです。今回は遠い日の砂場の記憶を書きたいと思います。
僕が小学校1年生くらいのことだったと思います。学校が終わった後、友達と公園で遊ぶのが日課になっていました。友達のうちから近い公園。ブランコ、滑り台、鉄棒、砂場のある、こじんまりとした小さな公園でした。
「今日は何して遊ぼうか?」
お菓子を買ったり、持ち寄ったりして。砂場でもよく遊びました。砂を盛り上げて山を作ったり、そこの真ん中に穴を空けて、トンネルを作ったり。パケツに土を、ぎゅうぎゅう詰め込んで、パカッと型取りしたりして。
そんなある日のこと、ふとした疑問が湧きました。
「砂場の底には何があるんだろう?」
友達に話すと、2人でどんどん気になってきました。
「大富豪が遺した宝物が埋まっているのではないか?」
「人間以外の生物が生息する地下帝国につながっている?」
「…もしかして人骨が埋まっているかも〜!?」
想像も大きく広がっていきました。
「…掘ってみようか?」
ワクワクした気持ちが溢れ出した2人は、砂場の砂を掘ってみることにしました。
「ザクザクザクザク…」
小さいスコップと、手をいっぱいに使って。
「あっ!!」
キラリと光って出てきたのは、女の子用のおもちゃの指輪でした。
「次は何が出てくるかな?」
そんなワクワクした気持ちも、心いっぱいに弾けだして、どんどんと掘り進めていきました。
ボルトのネジ、赤ちゃんのおしゃぶり、貝殻。様々なものが出てきました。
穴の横の掘り起こした土の山も大きくなってきた頃…
「ガツっ!?」
何か硬いものにぶつかりました。
なんだろう?と思って、さらに周りを掘ると出てきたのは、網に入った大きな石でした。
「なーんだっ」
砂場の底の正体…
それは、20cmほどの大きな石が、5.6個入った網が全体に敷き詰められているものでした。
たぶん、砂場の基礎を作るために必要なものなのだと思います。
時間を忘れて、ひたすら土を掘っていました。
気づくと、ほのかなオレンジに彩られた夕暮れ色の空。影が深くゆっくりと伸びていました。友達とブランコに腰掛けて、キコキコ小さく漕ぎながら、
「そうだよねー!」
「だねー!」
宝物が出ないなんて、最初から分かっていたこと。
でも、なぜだか笑顔がこぼれて。2人の中では、ふわっとした達成感に満ちていました。
今でも、思い出す記憶の欠片。
ふと、考えてみると、大人になった僕は、無駄なことや必要のないことは極力しなくなりました。こうした方が効率的にできると、作業手順を見越して行動するようになりました。
疑問が湧くとすぐにスマホと取り出して、Googleさんの検索機能に頼る毎日。そして、実際に見てもいないのに全てを知ったかのような気持ちになって満足してしまいます。
「大切なのは結果じゃない!
そこまでに、どんだけの思いが込められているかだ。」
そんな思いがしてきました。
砂場で出てきたのは、ガラクタばかり。底に潜むモノは何もありませんでした。でも、だからと言って、何も成果がない訳ではありません。疑問をもって、それを行動に移したこと。そして、それが今も心の奥に大切に残っていること。それが何よりもかけがえのないものであって。
「うまくいかなくても、大丈夫。それに至る過程が一番大切なことなんだ!」
砂場の底に潜むモノは、今の僕に大切なものを教えてくれている気がします。
小さな頃の小さな記憶。
なぜか心に今も残るもの。
あなたにもありますか?
小さい頃の自分はタイムスリップして、今の自分に大切なものを教えてくれる大切な存在なのかもしれません。
やさしい文章で、好きです。
小さい頃の自分の経験を振り返ると、今の自分にも繋がる大事なことがあるかもしれない。自分の中にある「砂場」を時間があるときに掘ってみよう!と僕は思いました。
ワクワクすること、疑問をもって行動すること、大事なことですね!
わわっ!ワタナベさん、コメントありがとうございます♪
心の砂場、掘ってみてくださいな^^
子供の時にできていたこと。大人になってできていないこと。
いっぱいあるんだろうな〜⭐️
ロクさんの文章を読みながら、
子供の頃、砂場を掘った記憶を呼び起こしていました。
私が掘った砂場からはお水が湧いてきて、
「温泉!?温泉かー!」と冷たい水なのに盛り上がった記憶があります。なんだかその記憶を思い出せただけで温かい気持ちになりました。
コメントありがとうございます!!
温泉ー!?すごいですね!!ほんとに^_^
雨とかで水が下に溜まってたのかな。
そう言ってもらえると嬉しいです!!