競うこと 競わないこと その①
競うことが苦手だ。昔からそうだった。
小学校の頃、僕は少年野球をやっていた。僕のいたチームは弱くて、0-25とかで負けたことがある(ガチ)。0-8で負けた時に、コーチが焼肉を食べにみんなを連れて行った(労い的な意味で)。この状況で焼肉はなんか違うやろ…と小5の僕は思った。
試合でのヤジの飛ばしあいが大嫌いだった。なんでひどい言葉を相手に与えなきゃいけないんだろうって、ずっと思っていた。悲しかった。そうまでして相手に勝ちたいのか。相手を侮辱して得た「勝ち」に、そこまでの「価値」があるのか。ずっと疑問だった。
走ることが苦手だった。とにかく自分は足が遅かった。小学校の頃は、足が速い人がモテた。だから、僕は全然モテなかった。足が速い人がとにかく羨ましかった。
陸上、水泳、ミニバスも、僕のいた小学校では半強制的にやらされるのだが、そのどれしも、芳しい成果を収めることはできなかった。実力でいえば下の下。個人戦も団体戦も全くダメだった。ダメくそだった。ダメな自分が、ダサい自分が、大嫌いだった。
僕は、競うことに対して、マイナスなイメージしか持てなかった。競う=負ける、負けるのは悔しい。悲しい。とにかく、競いたくなかった。「競うことがない世界」に行きたくて、行きたくて。しかたなかった。
NINTENDO64の「どうぶつの森」にハマった。自分の家を理想の形にすることや、住人のどうぶつと触れ合うことが、とても楽しかった。競争も争いも嫉妬もない世界が、そこには広がっていた。僕はどうぶつの森を女の子とやりたかった。でも、女の子に自分から話しかけられなかった。怖かった。ダメくそな自分が女の子に話しかけ、嫌われることが。とにかく怖かった。
僕は、色々と拗らせていた。拗らせていたなりに考え、策を編み出した。それは、どうぶつの森に出てくる住人の名前や家具の名前を、1人で黙々と呟くという策だ。僕の想定では、自分が呟くワードを偶然()耳にした女の子が「わたしもそれ知ってる!! ゆうすけ君もどう森やるんだ!! ねぇ、わたしんちで一緒にやろう!!」と言ってくる、はずだった。
もう、読んでいる方は気づいているだろう。
自分がいる現実という <地獄> が <大地獄> になっただけだった(具体的にどうなったかは、目も当てられない程のものであったため省略)。楽園はゲームの中にしか存在しなかったのだ。
僕は、競うことが苦手で、嫌いで。自分のことが大嫌いで。そんなかんじで10代を過ごした。いまはどうか。いまは、自分のことを、ちょっとは許せるようになっている。許せるようになったのは、年齢を重ねるにつれ交遊関係が広がって、周りの色々な人と関わって暮らしている実感が今はあって、自分も悪くはないかもなぁと、ほんの少しだけ、思えるようになったから(今もどちらかといえば嫌いではある)。嬉しい言葉を人からいただくことも、楽しいと思うことも、以前より増えた。
周りの色々な人と関わり交遊関係を広げることができたのは、良い人たちが自分の住む街にたくさんいて、その人たちに運良く出会えたというのが大きい。でも、それだけではないような気もする。もし、周囲だけでなく、自分にも何かしらの良い要素があるとすれば。それは、なるべく他人と競いたくないなぁと日頃から考えて過ごしているところ、なのかなぁと思う。
マイナスな感情を相手に与えたくない。自分もその感情を味わいたくない。自分の意思とは関係なく勝手に土俵に上げられたのであれば、そこで自分は「負け」でも良いと、素直に思える。そもそも、日常生活やささいなことで、競ったり勝負ごとなんて絶対やりたくない。競うのであれば「自分」とだし、幸せは、過去の自分との比較により感じられるもの。なんじゃないだろうか。
あぁ、健やかに、ぬるっと生きたい。
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これから、「競わないこと」の良さについて、自分が考えたことを、書いていきたいと思う。でも、それだけでは足りない。生きている中で競争が必要な場面はあるし、良い意味合いを持つ競争だってあるはず。そして、競争が生み出す感情にも価値があるように思う(見つけたい)。
僕は、健やかに、ぬるっと生きたい。でも、モヤっとしたことはスッキリさせたいし、過去の自分よりもなんか良いかんじで過ごせるように生きたい。だから、考えたい。おどりばにいる、今。
競うこと、競わないこと。
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めっちゃ考えたいので、シリーズ投稿とさせてください。
次回、その②
現時点で共感のオンパレードです。
わたしも競うことが苦手。
比べられることが嫌い。
サッカーは好きだけど、「潰せコール」とか、ゴール裏の野次は嫌い。
平和にいこうぜって、すごく思う。
そしてどうぶつの森、おもしろいですよね。
ひたすらお魚釣って、虫さん捕まえて売り捌いて、埴輪そろえて鳴らして。
ポケモンも好きだけど、どれくらい進んだかを人と争うのは嫌。
なべさんのツイートやリプ、どれもユニークで読んでいて楽しいです。そして、心が救われます。
なべさんのシリーズ投稿、楽しみにしています!
ゆうりさん
共感してもらって、とっても嬉しいです。
自分も、平和にいきたいし、比べられることが嫌いです。
スポーツは、スポーツマンシップ、フェアプレー、相手チームへのリスペクト などがあれば、安心して見ることができますが、いくら選手がそうやっていても、観客が醜い野次をとばしていたら、嫌な気持ちになってしまいますよね。選手や周りの人のことを考慮したスポーツへの接し方について考えることが、観客側にも必要なのかもしれません。
ゆうりさん、いつかお会いできたとき、ゆうりさんのサッカー愛や推しポイントを、ぜひ聞かせてください。僕は、スポーツからすっかり遠ざかってしまいました。それは、自分の意図しないところで過度に比べられたり嫌な言葉が飛び交っていた小学生時代の経験があったから。でもやるのと観戦は別だと思っていて。自分もなにかスポーツ観戦にのめりこみたいなぁと思っています(スポーツ観戦を趣味にできたらいいなと思っています!!)。人がアツく語るのを見るのも聞くのも、自分は好きなんです。
記事やSNSでの発言を読んでくださって、いつもありがとう。