グッバイ、おどりば
この2020年3月をもって、「おどりば」から退去する山吹です。
せっかくなので、ここで私にとっての「おどりば」とは何であったのかについて、私なりに整理しておきたいと思います。
「変わりたい」の最果て
私にとって「おどりば」とは「変わりたい」と叫ぶアイデンティティとの闘いでした。
SNSのアイコンやプロフィールをどれだけ変えてみても、なんだかどれも、どこかがなにか、しっくりこない。そんな現象、みなさんにもありませんか。
人間は「変わりたい」と願います。変わった先でもまた「変わりたい」と願ってしまう。もしかしたら、「変わりたい」という願いからは一生かけても逃れられないのかもしれません。これは呪いです。
しかしきっと、それは祝福でもあるかもしれません。「変わりたい」という願い。それは自らの可能性を手に入れるための矛でもあります。だから私は諦めました。「変わりたい」という願いを受け止めて、これからもきっと変わっていきます。願わなくても、きっとそうなってしまうのでしょう。
「変わりたくない」の成れの果て
同時に、私にとって「おどりば」とは「変わりたくない」と叫ぶアイデンティティとの闘いでもありました。
SNSのアイコンやプロフィールをどれだけ変えようと思っても、どう変えればいいんだろう?何を?どこから?いつ?誰のために?そんなことばかり考えてしまって、結局「今のままでいいや」。そんな現象、みなさんにもありませんか。
人間は「変わりたくない」と願います。変わりたくても、どう変わればいいかなんて分からないし、変わるのが怖い。もしかしたら、「変わりたくない」という願いからは一生かけても逃れられないのかもしれません。これは呪いです。
しかしきっと、それは祝福でもあるかもしれません。「変わりたくない」という願い。それは自らの本質を失わないための盾でもあります。だから私は諦めました。「変わりたくない」という願いを受け止めて、これからもきっと変わることはありません。願わなくても、きっとそうなってしまうのでしょう。
変化と不変に挟まれた不思議な居場所
なにを矛盾したことを、と仰る方もいるかと思います。何も間違ってはいません。私は確かに矛盾したことを言っています。
しかし、それが成立してしてしまうのが「おどりば」という不思議な居場所でした。
「変わりたい」の沸点と「変わりたくない」の融点の間で、揺れ動く分子のような私。それはさながら、液体が気体になるまでの水平線みたいな時間でした。もしくは、固体が液体になるまでの水平線なのかもしれません。
最後に、そんな不思議な居場所で書き残した筆跡を振り返りながら「おどりば」にグッバイできたらと思います。
6月
はじめて「おどりば」大家の方とお会いした時のこと。就活が一段落して、「決断」を意識していた6月でした。無事に「おどりば」に入居できて良かった…(あと内定)。
7月
好きな数字である8をテーマに「信念」を語り尽くした7月。これからも七転八倒であることは変わらないし、引き続きn転びn+1起きのスタイルでやっていきたいと思います。
8月
高校時代の、とある日の思い出について。変わらない仲間、変わっていく自分。年月を重ねても忘れられない日があることが、いつか誰かの「救済」になりますように。
9月
大学最後の夏休み。伸びていく枝と、切らなければいけない枝。剪定作業の中で、選んだ進路について悩み始めた8月。「選択」というものについて考えながら、社会や人生の存在がジワジワと迫ってきた時期でもありました。
10月
自分の将来について茫漠と考える中でタイムカプセルな文章を書きたくなった10月。「善悪」とは何なのか…唸るほど考えたつもりなのに、未だに答えは分かりません。きっとこれからも分からないような気がします。
11月
11月、未曾有の情緒不安定に襲われながら闘ったマニュアル免許取得録。6月に書いたカーナビのジレンマの続編になりました。選択の葛藤を通して、「自由」について呻吟した時期だったことを覚えています。
12月
卒論執筆に追われながら始まった自問自答シリーズ。第一弾は「やさしさ」について。インタビュー形式で「やさしさ」問答を深める中で、「やさしさ」の意味は思ったよりも広いことが分かりました。
1月
年が明けて2020年1月。「おもしろさ」にコンプレックスを抱える私の脳内で真面目に「おもしろさ」論議を繰り広げた結果、「おもしろさ」の業は思ったよりも深いことが分かりました。
2月
逃げる2月は「つよさ」について。やさしくても、おもしろくても、生きていくためには必要な「つよさ」。書きたかったけれど一番わからないテーマだったので、結果としてこのタイミングで書くことに。最終的に、「つよさ」を手にするまでの道のりは思ったよりも遠いことが分かりました。
そして、去る3月。十月十色の思索を巡って、遂に私は「おどりば」を退去します。
「決断」「信念」「救済」「選択」「善悪」「やさしさ」「おもしろさ」「つよさ」…それぞれのテーマに揺さぶられながら、変わったような変わらないような、不思議な10ヵ月を過ごすことができました。楽しかったです。
大家の方、「おどりば」住人の方、ここまで8号室に遊びに来てくださった方、今までありがとうございました。
御縁があれば、またどこかでお会いしましょう。私は次の「おどりば」に向けて、久々にまた、一段ずつ階段を登っていきたいと思います。
グッバイ、おどりば。
(完)
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