違うと感じること。

住人

私はずっと、生まれた土地「新潟」で育ってきた。
大学に進学せず就職したので、県外のご飯を食べるのは旅行のとき。
はじめて旅館のご飯と味噌汁の味に違和感を覚えたのは、小6の福島修学旅行、
普段食べ慣れた味と「違う」と感じた。

この、味が違う、という違和感、
成長した私は食道楽で、料理に興味があるからなおさらだが、
誰でも1日3度の食事は取るから、
「食の違い」は1番身近に感じることができると思う。

違うと感じること。

私がはじめて新潟を離れたのは35歳、東京へ引っ越した。
わずか半年の首都圏暮らしだったけど、違いはいろいろあった。
首都圏のスーパーは、新潟と品揃えが違う!
が、長くなるので割愛。

次に新潟を離れたのは42歳、長野へ引っ越した。
移動先のスーパーや産直売り場の探検が楽しくなった。
その土地の特産品やお土産、好まれているものが分かるから。

魚は太平洋寄り、首都圏似のマグロ・カツオ多めの品揃えだ。
海なし県で、川魚アユ・ニジマス、ウナギ・コイも多い。
牛の放牧は多かったし、鶏の山賊焼きがB級グルメだけど、
畜産ブランド肉はあまりなかった。
各果物の品種が多いので、陳列時期が長く、果物コーナーが充実。
新潟も果物多いと思うけど、品種の数が圧倒的に違う。
りんごなんか、初夏から冬なかばまで、いろいろ続く。
住んでいるところの標高が高いせいか、葉物野菜が少ない。
が、きのこは充実。時期になると、産直に松茸が売っている。
漬ける保存食文化が根づいているから、
漬物材料のコーナーが通年あり、材量がキロ単位。
野沢菜漬けは作ったりもらったりするからか、売っていない。
買うものではないのかな。
米・もち米より、小麦か蕎麦栽培が多いため、もち菓子が少ない。
地酒(日本酒)は少ないが、地ワインが多いので、酒コーナーが充実。

長野は、
晴れが多く、雨が少なく、標高が高く太陽に近いせいか、紫外線が強い気がする。
冬の朝、氷点下で凍るが、昼間晴れるので溶ける。1日の寒暖差がある。
湿った雪は降らないので、雪かきが楽だし、積もらないので長靴がいらない。
旧街道が通っているからか、ながの祇園祭は、京都の祇園祭に似ている。
夏の週末には、地域の祭りがあり、毎週末どこかで花火が上がる。
だから夏の大きな花火大会は諏訪湖ぐらいで、あまりない。
11月末に長野市で、寒い夜の大花火大会がある。

その土地の祭りとか、祭りのときなどの行事食は、郷土の特色を大きく映す。
郷土食と行事食、ハレの日とケの日に食べているものがどんなものか、
調べてみるのもおもしろいかもしれない。

違うと感じること。

味にかかわらず、習慣や、環境による生活様式も、
地元で暮らしていると、地元の生活があたり前になっている。
地元でないところに行って、はじめて、地元との比較ができる。
地元との比較、とは、自分のあたり前との比較。
自分のあたり前は、自分の中だけのものと気づく。

知らない土地の文化や歴史を知ると、そこが好きになるみたいに、
知らない人の好みとかを知ると、その人ことを、もっと知りたくなるかもしれない。

でもよく考えたら、
生まれて、家族の中だけで生活していて、家族のあたり前しか知らない自分が、
はじめて保育園や幼稚園で集団生活をするときに、
自分と他人の違いって、なんとなく違和感としてあって、
喧嘩したり、仲良くなったりして、気づいていくものなのかも。

自分と他人の違うところは、ただただ、受け入れてあげよう。
違っていてあたり前、って知っていると、なんとなく生きやすかったりするかもよ。

paseri

山の国に3年在住、しかし海の国の人。おどりばに、おせっかいおばちゃん参上。

プロフィール

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