あのこのことが大好きだ

住人

何回も会いに行ってしまう。
つぶらなひとみと、
愛くるしい体。
様々な人を魅了してしまう、
その存在。
温泉が大好きで、
一緒に温まりたい。

モフモフとした毛並み。
ピクピクと動く耳。
ずんぐりとした体。

何回も会いに行ってしまう。



動物園に。

そう、「あのこ」とは、カピバラだ。

「何を考えているのだろうか?」

もしゃもしゃと、葉っぱを食べる姿は、無心だ。
でも、すごくすごく癒される。
不思議だ。

僕はカピバラのことが大好きだ。
すごく、すごく。

いつも、寝たり、食べたり。
あまり動かない。
お客さんが来ても、決してこぴを売らない。
でんと構えて、そこにいる。

「そんな、せかせか生きることないよー!」

そう、語りかけてくれている気がする。

「もっと、肩の力を抜いて、生きていいんだよー!」

そう、諭してくれている気がする。

「カピバラさんだー!かわいいー!!」
小さい子供たちの目をキラキラさせた声が聞こえる。

何も考えず、ぼーっとしているだけのように見える、カピバラは、すごく人気者だ。僕を含め、カピバラに癒されて、元気をもらっている人はたくさんいるのだと思う。

ーー

「なんで、あの人が!?」

この頃、芸能界をはじめ、
心が痛い、自殺のニュースが多い。

ふと、考える。
生きている者の存在意義ってなんだろうかと。

カピバラを見ていて、こう思った。
生きている者の存在意義は、生きていること、そのものだ、と。

カピバラもそうだ。
人間もそうだ。

生きていることに価値がある。
頑張って何かをしたから、とか、
何かを成し遂げたから、とか、
そんなものが価値になるわけではない。

生きていることそのものに価値があるんだ。

いつもぼーっと、
むしゃむしゃと草を食べて、
ゴロンと寝ているカピバラ。

「人間は大変だね、
  そんなに頑張んなくていいんだよ。」

彼らがそう語りかけてくれている気がする。

僕らは今日も、生きていく。
カピバラたちも、生きていく。

コロナで大変な人も多い。
悩んでいる人も多い。
嫌なことも多い。

でも、
生きていないと。
生き物だから。

roku

「街をクリエイティブに彩る!」看板屋さんに勤めるデザイナーです。イラストが得意です。粘土で立体を作ったりもします。考えながら、悩みながら、楽しみながら、日々...

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