準備/やりたいことがみつからない
ひょんなことから畑をやることになった。
私がやりたいと言ったのではない。
たまたま、偶然そうなった。
土いじりはいいよ、癒されるし、元気になるしとよく聞くし言われるけれどその仮説は自分で体験してみないと立証できない。
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20数年生きていて、やりたいことが見つからない。ここ何年もその悩みと葛藤が生きづらさのひとつの要因になっている。
10代の頃に珈琲の仕事に出会った時の衝撃と高揚感は今でも忘れていない。やっとやりたいことが見つかったと思って没頭し、好きなことを学びながら働ける環境にいる私はなんて幸運なんだろうと思った。
でも5年が経ったころ、本当に私がやりたいことではないような気がしてしまった。好きなことで、得意なことで生きたいのではないんだと気付いたとき、悲しくて悔しくて行き場のない喪失感に襲われた。身に着けたスキルは決して無駄じゃない。もし珈琲の仕事をしていなかったら夫とも出会ってない。後悔はしていないはず、
でも誰かに会うとき、やりたいことや好きなこと、没頭していること、趣味…これらを聞かれた時にぱっと答えられないことがコンプレックスだ。少しずつ個を求められる時代に移ろいゆくなかで、それが私をますます苦しくさせる。
もう何年もやりたいこと探しをしている気がする。生きている限りそういうものなのかもしれない。終わりはないのかもしれない。それでも、もう少し探したい。畑も、今の私にとってはそのひとつに過ぎない。こうして記録を残しながらモチベーションを保たなければいけないほど好奇心がなくて長続きしない。6回書き終える頃にはなにか少しでも、自分に変化を感じられたらいいなと思う。ひきこもりで日光が嫌いな夜行性飽き性でも、畑が楽しいと思えるか、これはそんな実験の記録である。
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1日目
今年の春は桜が早く咲いたので、スピード感をもって準備を進めたい。
まずは草取りから。
ホーという道具を使ってひたすら草を刈る。刈った草を運んで一か所にまとめる。
なかなかに広いので、草取りだけで随分汗だく。まだ始まってもいないのに、こんなに疲れる。
肥料をまいて、土を混ぜる。慣れない体勢はきつい。余計な力を使わないように、夫にフォームを習いながら、ふかふかの土の上でひたすら耕した。
この日は風が強くて、花粉で顔がぐちゃぐちゃ、髪はぼさぼさになるし日よけ帽も飛びんでいきそうで気になるし、マスクは暑いし、ショート丈の長靴には容赦なく土が入ってくるし…とマイナスが頭を支配したのも最初の30分ほどで、それからは草がなくなって、土の色が変わって…変化が目に見えるとうれしいもので案外夢中になれた気がする。
実際に耕すと、だんだんとイメージが湧いてくる。
帰宅して、植え付けの前にもう一度畑のデザインを考え直そうと提案した。
その日の夕食の白米が信じられないくらい美味しく感じて、何年かぶりにぐっすり眠れた。
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先日、夫のおばあちゃん(94歳・百姓)に畑やるんだよ、といったら本を貸してくれた。これをバイブルにしよう。
茶色い写真ばかり。最初は地味で華やかさはない。これから少しずつ色が加わっていくのが待ち遠しい。
続く…
はじめまして。
2号室のぶさんです。よろしくお願いします。
ひょんなことから、私も最近畑を始めました。
行き当たりばったりの計画性のない畑なので、何が起こるかわかったもんじゃないです。
>もう何年もやりたいこと探しをしている気がする。生きている限りそういうものなのかもしれない。終わりはないのかもしれない。
私もそんな感じです。そして、いつも「いまやっていることがやりたいことなんだな」と結論づけています。このコメントも同じような感じです。そして、私も漠然とした不安を抱きながらおどりばの6回の更新をしていました。
みき(畑)さんの”実験”たのしみにしています。
※コメントは、スイッチが入ったときだけなので、ご容赦ください。
蛇足(?)ですが、私も芋焼酎大好きです。
のぶさん、初めまして。
13号室畑のみきです。
こちらこそ、よろしくお願いします☺️
読んでくださって、あたたかなコメントまでありがとうございます。
なんと偶然ですね!
畑の仲間ができたようで、嬉しいですし
モチベーションがあがりました。ありがとうございます☺️
のぶさんの畑もとても気になります。
3月末に畑をやることが決まったもので、私も全然計画もなくはじめていて試行錯誤の日々です。
いまやっていることがやりたいこと、
なんだかとても腑に落ちて、少し心が軽くなりました。
おどりばで記事を書き始めたことも、たしかにそんな気がします。
のぶさんの記事も更新楽しみにしています^^
芋焼酎美味しいですよね…!
お湯割りが最高に好きです。。笑
(畑で取れた野菜でなにかおつまみを作るのが1つの目標だったりします)