p20:私はきっと、幸せになる
住人
27歳になった。
今後の人生で過去をふりかえったとき、きっと私は「27歳の頃が一番思い悩んだ」と言うだろう。
27。微妙な数字だ。
20代だけど、30代への突入がすぐ目の前に差し迫っている。
嫌な緊迫感だけが心の中で育って
私は毎日焦っていた。
もう、取り返しがつかないんじゃないか。
私の人生ってもう、詰んでるんじゃないか。
そんなことをここ最近はずっと、
ぐるぐると考えていた。
27歳は、取り返しがつかないんだろうか。
私の人生は、詰んでいるんだろうか。
答えは、
「この先の私次第だ」
つまり、わからないってこと。
明けない夜はない、とか諦めなければいつか希望が見える、とかそういう言葉はあまり好きではなくて、根性論も私には響かない。
でも、少なくとも、諦めたら取り返しはつかないし、詰んでいく一方だと思う。諦めたところでこの長い人生を生きるしかないのなら、諦めない方がいい。
生きるのは苦しい。
もう何度も、私が私として生きていくことを恥ずかしいと思ったし、やめたいと思った。きっと、諦めて開き直って生きていけたら、その方が楽なのだろう。それすらできないなんて、なんて面倒くさい人間なんだ、私は。
それでも私は、取り返しがつかないかもしれないこの人生を諦めたくないのだ。
いつか、この苦しい日々のことも、笑える日がきたらいいな。私はきっと、幸せになる。
おまじないのように唱えて、そっとページを捲る。
photo:トナカイ(敬称略)
この記事へのコメントはありません。