おどりばからの脱出

住人

就活をしている。

とりあえず1社面接を受けたが、質問されたことに頭ん中が真っ白けっけになって、20秒間フリーズ。「緊張してます! すいません!」と絞り出すのが精一杯だったヨ。それが原因だったのか、落ちましたね。きれいに〜、レイニー、就活前線雨模様だに~。なんつて。でもさ、真っ白になったあと、必死に喋り倒して、その懸命さはわたしらしさだと思ったので、人間味は出せた面接だったかと。正直、不採用通知もらった時、悔しかったけど、数週間経った今は、逆にいい人生経験させてもらって、ありがとよ、アバヨ!って感じです、現在。

これを書いている本日は某社にて実習しておりました。せっせと自己PR書いたり、志望動機を添削したり、履歴書をまとめたりする日々。そこに実習なので、忙しすぎて、そういえば最近、小説書いていないことが判明。しかーし! 若い頃のように焦燥感はない。むしろ日々充実している。あれです、書ければ小説じゃなくてもいいみたい。就活に関する書類でも楽しんで書けるのは、わたしの強みだと知った。小説も含めて、ストーリーズみたいに消えてしまうものでもいいらしい。わたしにとって大切なのは、書く行為/時間であるようですね〜。

以前のここ、おどりばで、成功なんてしたくないと何度か書きましたネ。先日、タロット占いしてもらった際、そのことを告げたら、それはある意味逃げではないのか? と問われまして、しばらくの期間、成功について考えていたのです。まるで映画『君たちはどう生きるか』の意味を考える苦学生のように。で、今ここに書いている通り、書ければいいので、作品を残したいという気持ちは流れる水のようだと、わたしは捉えているわけで。って、何言ってんの? って話か。要するに、文学界の新人賞を狙うような年ではなくなったってこと。それはつまり、中途半端に成功して、しょーもないテレビCMに出るとか、にわか文学ファンに賑やかに賞賛されたいとかという、クソ泥みたいな気持ちに振り回されるようなことにはなりたくないってことです。それよか、ひっそりと認められたい。しっかりと見守ってくれる人々に。1人かもしれないし10人かもしれない。でも、それくらいの規模なら、そこで成功したいよ。

まあ、わたしの文章なんて屁ですね。誰も読んじゃいないんだ。だから好き勝手書いてる。比べるのもマヌケなほどだが、認知症の父の方が立派な文筆家である。病院で主治医に認知症テストで「なんでもいいから中川さんが今思っていることを文章にしてください」って言われて、父はなんて書いたと思う?

ありがとう

それだけ。マルもバツもない。たっぷりな愛情ですくすく育ちましたね、父・86歳。そんな文章を書きたい。たった5文字のそれは文章じゃないよ、単語だよ。でも、わたしにとっては文脈がにょきにょき打たれた素晴らしい文章だった。おそらく父が母よりも先に、わたしよりも先に、そして孫であるわたしの娘よりも先に逝くだろう。ありがとうって歌って逝くだろう。あ、そうだ、父は文章にまったく興味がないんだ。歌が好きだ。だから、ありがとうの歌を聴きたい。いつかわたしも父の歌に見合う言葉が書けたら、父の声で歌ってほしいな。それは長い旅を重ねないと書けないだろうから、天国で会いましょうって言っとく。って、別に父は死に際じゃないし、わたしは自殺はしない。天国とか地獄とかの話も違う。順番の話をしているんだ。

とはいえ、順番なんて決まっていないのかもな。明日、わたしが逝ったら、突然すぎて誰か泣いてくれるか、それとも「ざまあ!」と言われるのか。まあ、そういう人になりたいとも思うケド。いつまでも悪態ついてたい。ここのおどりば、どうなるんスかね。わたしがいる限り、邪魔をするだけなのかな?

最初に戻ってわたしは就活をしている。そういう意味で、人生のおどりばにいるわけです。そこを脱出しても、ここのおどりばは脱出しないよ、っていうのが今の気持ち。「なかがわ、おどりば卒業するってよ、やったぜぃ!」って思った人ゴメンね。それよか、何か書きなさい。こんなくだんない文章でいいんだよ。カッコツケルナヨ。誰かに読まれるのが恥ずかしい? 誰にも読まれないのが屈辱的? その誰かって誰よ? 貴様はここに住んでいる、おどりばの住民だ。書いて書いて、気持ち良くなろうぜえ。そう「Whoa!  I Feel Good!」。

なかがわ よしの

生涯作家投身自殺希望。中の人はおじさん。早くおじいさんになりたい。

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